2016-09-26

カレーを用いた食卓平和の守り方

珍しく妻からカレーリクエストがあった。

その日僕は非番。妻は朝から仕事だ。

よし。妻の帰りまでに腕によりをかけて作っておいてやろう。

そう思っていた矢先、それを牽制するように「カレーパッケージの裏通りに作るのが一番美味しいよね」と僕に釘を差す妻。

「だよね。ためしてガッテンでもそう言ってたよね。」

同調する返事を返すが、もちろん納得はしていない。

なぜならためしてガッテンにはまだ続きがある。

パッケージに書いてある通りに作るのが一番美味しい理由は、全体の味のバランスが取れているからというのが理由だ。

そしてもしアレンジをするなら、ルーを少なめにした上で、バランスを取りながら行なうべしとされている。

ならば水を増やせばその分アレンジの許容量が増えるというわけだ。

カレールウ半パックに対して水750ccと書いてある。ならば水を800c、具材の水分を少し多めにして、その分アレンジをさせてもらおう。

カレーといえばごろごろと肉が入っているのが魅力だ。

そこで我が家節約レシピは、鶏の胸肉を使う。

牛ほどのホロホロ感はないが、豚くらいの噛みごたえとそれでいて癖の無さがカレーにぴったりなのだ

しかしそれでは物足りない。ここに鶏肉に対して1/3程度のやや脂身の多い牛バラ肉スライスを細切れにしていれるのだ。

そうすることによってカレー全体に牛の風味が付き、鶏胸肉と一緒に噛めば美味しさも倍増するというわけだ。

ということで今回のカレーの基本材料だ。

・鶏胸肉300g

アメリカ産牛バラスライス100g

・玉ねぎ3こ(標準レシピより1つ多く用意)

じゃがいも3こ

・水850cc

カレールウ半パック(6皿分)

まずは肉に下味をつける。

鶏胸肉を一口大、牛バラ肉スライスを細切れにしてボールに入れ、塩小さじ1、生姜おろし大さじ1、にんにくおろし2かけを入れて混ぜてから時間ほどなじませておく。

ねぎつのうち、一つはまるごとみじん切りに、残りは1cm幅くらいの薄切りにする。

そうすることによって、薄切りの玉ねぎ以上に玉ねぎ存在感を感じられるようにするのだ。

じゃがいもは皮をむいて芽を取り除き、2cm角くらいに切る。

鍋にオリーブオイルを引いて、まずは玉ねぎのみじん切りをいれ、強火で5分程度かき混ぜながら炒める。

飴色は面倒くさいが、これでも十分に香りがでる。

その後に細切りにした玉ねぎを加えまた数分間炒め、しんなりしてきたところでなじませておいた肉をまとめて放り込む。

肉を混ぜながら炒め、表面に焼き色がつきスパイス香りが立ってきたらじゃがいもと水800ccを加える。

ここまでずっと強火でよいが、焦げ付かないように手早く混ぜ続けること。

蓋をしてお湯が湧くのを待ち、沸騰したらアクを取り除き火を止める。

カレールウを一かけらずつ入れては、ダマにならないようによく混ぜて溶かす。

ここから隠し味の始まりだ。

肉にスパイスと下味を付けたので、全体の塩分比較的間に合っている。

人の味覚は甘い→苦い→辛いの順番に感じるとためしてガッテンでは報じられていた。

なので、まずはこのカレー甘味を加える。

砂糖大さじ1どばー。

つぎに苦味といえばコーヒーだ。

インスタントコーヒー小さじ1どばー。

そして市販ルーでは辛さが物足りない。

一味唐辛子小さじ1どばー。

そして全体をマイルドにしてくれるバターを適量投げ込む。

全体をよく混ぜて味見。

市販の味のようでいて、そこはかとなくスパイスが際立つ絶妙な旨味バランス

これならばアレンジカレーとは思われまい。

そして最も大切なことはこれを妻が帰ってくるまでにしっかりと寝かせておくことだ。

妻の喜ぶ顔を想像しつつ、洗濯掃除に取り掛かる。

「うん!やっぱりレシピ通りに作るのが一番おいしいね!」

何も知らぬ妻は満足そうにカレーを頬張り続ける。

「だよね。最近カレーってよく出来てるよね。」

嬉しそうに僕が返すと、妻もまた嬉しそうに頷き返した。

休みの日に気を使わせたくないからとレシピ通りに作ってさえくれればうれしいという意思表示をしてくれた妻に、それでも少しでもおいしいカレーを食べさせてたげたいと悟られないようにアレンジを加える僕。隠し味とはつまりそういうことなのだろう。

今日もこうして食卓平和は守られるのであった。

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