2016-09-09

あなた道徳観を判定するテスト

あなたはどのお話に一番共感できますか??みんなの道徳観を知りたい。

1.最初お話

むかしむかし、あるところに、ひとりの少女が住んでいました。お父さんもお母さんも死んでしまって、食べ物も住む家もなくなり、シャツスカートとひときれのパンけが少女に残されました。

少女パンを持って原っぱをとぼとぼと歩いていくと、貧しい男がやってきました。その男少女に「手に持っているパンを私におくれ。おなかがぺこぺこなんだ。」と言いました。かわいそうに思った少女は、その男パンをあげました。

少女がまたとぼとぼ歩いていくと、はくスカートのない女の子少女はいているスカートを欲しがりました。かわいそうに思った少女は、はいていたスカートをその女の子にあげました。

夜になり、少女が森にさしかかると、そこに着るシャツのない男の子がいて、言いました。「着ているシャツをぼくに下さい。寒くて死にそうなんです。」少女は少し迷いましたが、その子があまり寒そうなので、着ていたシャツを脱いで、男の子にあげました。

少女が寒さにこごえながらうずくまっているとどうしたことでしょう、空からたくさんの星が降ってきて、それがぜんぶ、ぴかぴかの銀貨になったのです。そして気がつくと、少女はぴかぴかに輝く新品のシャツスカートを身につけていました。


2.二番目のお話

むかし、ある別のところに、別の少女が住んでいました。その少女最初少女のことを聞いて知っていたので、そんなふうになりたいな、と思っていました。

幸か不幸か、お父さんもお母さんも早く亡くなり、思いどおりの貧しい少女になることができたので、さっそく原っぱに出て行って、腹ぺこの男や、はくスカートのない女の子や、着るシャツのない男の子を、探しました。

運のいいことに、腹ぺこの男もスカートのない女の子シャツのない男の子もすぐに見つかったので、少女自分の持っていたすべてのものを、気前よくあげまくりました。そんなつまらないものよりも、星の銀貨が欲しくて欲しくてたまらなかったからです。

少女うずくまり、いまかいまかと待っていると、思ったとおり、空から星が降ってきて、銀貨に変わりました。少女は満たされた気持ちになりました。ほんとうに価値があるのは、パン衣服ではなく、星の銀貨であることを、始めから知っていたからです。


3.最後お話

またある別のところに、また別の少女が住んでいました。その少女最初少女のことも二番目の少女のことも聞いて知っていて、なんだか嫌な子たちだな、と思っていました。

そのうち、お父さんもお母さんも早く亡くなり、なんとまえの二人の少女たちと同じ境遇になってしまいました。でも少女は「私はあの子たちとはちがう。星の銀貨なんかいらない。」と決心して、原っぱに出て行きました。

少女は、腹ぺこの男に会っても、スカートのない女の子に会っても、シャツのない男の子に会っても、同情せずに、その都度、こう言いました。「わたしも私の苦しみに自分で耐えるからあなたあなたの苦しみに自分で耐えてね。わたしあなたに会わなかったことにするわ。だからあなたわたしに会わなかったことにしてね。」少女は、みんなが自分運命を受け入れることを望み、自分自分運命をそのまま受け入れたのです。

少女が寒さにこごえながら、うずくまっていても、星たちは空高く輝いていました。「これでいいわ。これがわたし人生なんだもの何度でもこういう人生をおくりたい……」とつぶやいて、少女は死んでいきました。夜空の星たちは、遠くから、その少女を照らしつづけていました。


永井均ルサンチマン哲学」より引用

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