2016-09-04

工数」と「工期」のちがい

たとえば、6人月ソフトウェア開発プロジェクトがあったとします。エンジニアが3名いたときに、このプロジェクトの工期(終わらせるまでの期間)はどれくらいでしょうか。

ここで、6人月÷3人=2ヶ月と答えるのは、だいぶアホな回答です。

もし、プロジェクトタスク依存関係がなくて、タスク要求されるスキルが均一であれば、2ヶ月でプロジェクトを終わらせることができるかもしれません。だけど、現実プロジェクトは、あるタスク完了させなければ後続のタスクに着手できないような依存関係があったり、タスク完了させるためのスキルを持つ人を好きなタイミングアサインすることが難しかったりするのが普通です。

ちょっと考えるために話を単純にしてみましょう。たとえば、プロジェクトの6人月見積の内訳が、設計に2人月、開発に2人月テストに2人月だったとします。そして、プロジェクトアサインされた3人のうち、設計ができる人間が1人だけだとします。

そのときの工期はどれくらいになるでしょうか?

設計のできる1人が設計完了させるのに2ヶ月間待つ必要があって、そのあとにようやく残りの4人月タスクを3人で取り組むことができるのようになるので、工期は約3.33ヶ月となりますね。

日本情報システム・ユーザー協会JUAS)の調査による経験則では、適正な工期は「人月の立方根の2.4倍」となるそうです。これを採用すると、6人月に適正なプロジェクトの工期は約4.36人月となります。6人月プロジェクトに4ヶ月間以上かかるっていうと、なんだか腑に落ちない感じがするかもしれませんね。

プロジェクトにおける工数と工期の違いは、直感では分かりにくいものの一つです。勘に頼らずに、きちんと理解して、論理的に考えてきましょう。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん