どうすればいいのか分かりません。自分は本当に愚かだと思います。我ながら情けなさ過ぎて、誰にも相談できません。
私は若手俳優のオタクです。「推し」ている俳優さんがいます。今回ここで書きたいのは、私がこの「推し」を俳優としてではなく一人の人間として本気で好きになってしまったことについてです。今こうして「一人の人間として本気で好き」と書いているだけでも、推しへの申し訳なさと自己嫌悪に押し潰されそうです。
私の推しはとても誠実で真面目で、素敵な人です。たぶん…。彼を盲目的に好きでいる私には、そう見えます。それは彼の「売り」であり、「外面」であることも承知しているつもりです。それでも、私にとっての彼はその外面が全てです。私は彼のブログやインタビュー記事を何度も読み、彼の出ている舞台やイベントに何度も足を運び、彼という人間を分かったつもりになりました。プライベートの姿なんか一度も見たことがないのに、勝手に彼のプライベートまで細かく想像してにやけています。それだけならまだよかったのですが、ここから私は次のステージへ転がり落ちました。
前述したように、私は彼がどんな人間なのか少しだけ分かった気になりました。彼のことを知れば知るほど、彼の趣味や感性、物事への考え方に共感するようになりました。そしてそれは、「私は彼のことを誰よりも心から理解できるのではないか」という考えにつながりました。「私こそ彼にふさわしい」と言い換えることもできるかもしれません。全くおめでたい思考回路です。しかし、この記事を書いている今も私はそれを信じているのです。
さて、何度も舞台やイベントに足を運び、おそらく彼に認知されたであろう辺りから私はおかしくなりました。この「認知」というのも怪しいものです。彼が舞台上から私をじっと見てくれたとか、ファンサをくれたとか、その程度のことです。もしかしたら私の思い込みでしかないのかもしれません。しかし、長期間彼だけを追い続け、せっせと舞台やイベントに通った身としては「さすがに覚えられたかな」と思ってしまうのです。上で書いた通り、私は自分こそが彼にふさわしいと考えていますから、ファンサをもらっただけで舞い上がってしまいます。彼も私のことを好きでいてくれるのではないかと思ってしまうわけです。その瞬間は本当に幸せです。できることならずっとこの妄想に浸っていたい。いや、できることなら、この妄想が現実になってほしい。いつかどこかで奇跡が起こって、私と彼が結ばれることはないだろうか。そこまで考えてしまいます。
私は少なくともはじめは、彼のことを純粋に応援していました。彼の演技力にただ感動し、舞台の上の彼をもっと見ていたいと思ったのがすべての始まりでした。今でもその時の気持ちは忘れていません。しかし、もう彼のことをそんな純粋な気持ちで応援することはできなくなってしまいました。申し訳なさばかりが募ります。彼の演技や仕事への姿勢が好きなはずなのに、もし彼に彼女がいたら、もし誰かと結婚してしまったら、考えるだけで目の前が真っ暗になります。彼の周りに女性の影がちらつき始めたら、もう私は彼を推せないだろうと思います。それどころか、大きく傷つくだろうと思います。
毎日のように俳優の彼女がバレていく現状を見ていると、私は一体何をやっているんだろうと馬鹿らしくなってきます。私の推しがそうならないという保証はどこにもありません。そして、そんなことより何よりも、俳優のガチ恋なんてばかばかしいことをやっている場合ではないのです。私が俳優と付き合うなんて、天と地がひっくり返ってもありえないことです。…と、分かっているのに、やめられません。推しのことが好きで好きでたまりません。周りにいる男なんかみんなゴミです。ああ、推しと付き合いたい。