2016-08-28

登山経験ある奴からのパッと見の24時間テレビ富士登山感想

スペック:大学時代月1で登山する(登山系の中では)ゆるめのサークル所属

富士山登ったことない。テン泊で65リットルくらい?のザック背負って北アルプス登ったくらいの山にわか高校の体力テストDだったのでそれでもきつかった。

ぱっと見思ったのは「健常者の大人ですら登山しんどいのに、それを1合目から、大雨の中子供に歩かせるのはどうなの」ということだ。

「天候」

まず気になったのは天候である。大雨で登山はまず足元が滑りやすくなるため危ない。プラスして長時間低体温症で動けなくなる…なんてこともあるだろうし危険である

そして何より楽しくない。ウチなんかは緩いサークルだったので登山で綺麗な景色が見たいーって思う人が殆どで、雨が降って景色が見れないと「最早修行だなwww」と笑っていた。自分もそう思う。そんな修行子供体験させるというのはあんまりにもな所業である

また、自分たちサークルでは夏登山8月前半、遅くても中盤までに終わらせるようにしていた。理由は後半になると台風先生にやられる確率が上がるからである。まあ早くても運が悪いとやられてたんだけど。ひどい大雨なら中止…なんてことも良くあったが、テレビが関わっている企画果たして中止が易々と出来たのだろうか



難易度

あと気になったのは難易度の高さである富士山サークル女性の先輩曰く「酸素ボンベがなければやられていたぜ…!」だったという。酸素が他の山よりも薄いことがダイレクトに体力を奪ったらしい。「ヤマノススメ」という登山漫画でも女の子富士登山中に高山病罹患し泣く泣く富士登山を諦めるというエピソードがあった。(まあ漫画からって言われたらそれまでだけど)そんな大人、十代の少女でも苦労する山を恐らくそんなに体力のない子供に登らせて大丈夫だったのだろうか。

下山問題もある。登山は山頂登って終わりではない。下山結構な体力を使うのでけして楽ではない。体力ない奴だと足がガクガクになる。また下山は登りの方がやって来たら端に避けて、登山者が通過するまで待たないといけないのだがこれも何回もやられると足がやられるし、下るのに時間がかかってしまう。自分北アルプスを1日で一気に下った時に最後の方で尻餅をついてしまったのだが、足に力が入らずしばらく立ち上がれなくなってしまったという感じだ。足が弱くて座ったら立ち上がれなくなってしまった祖母介護したことがあるが、その時の祖母気持ちが分かったような気分になった。本当に力が入らなかった。


安全

さらに山には「救急車」を気軽に迅速に呼べない。例えばしんどくなったとしても、サークル登山とかで尚且つまだ歩けそうなら車道がある道までとか歩かないといけない。最悪ヘリコプターのお世話になる。24時間マラソンは辛くなったら即辞めれるし救急車も呼べるからまり死の危険はないが、山だとそういう救援がすぐにやってこられないので死の危険度は上がっている。子供なんて大人より体力なくて体調崩しやすいのに救急車呼べない状況に落とすのはヤバイ気がする。

因みに体力テストDだった自分下山してからだが、疲労で38度の熱を出したことがある。

24時間の子供が心の底から富士山大好き!制覇したい!という子供だったら救いはあったのかもしれないが…ていうか思ってもそんなん安全考慮して止めろよとも思う。

そもそも24時間子供ハードなことさせる企画自体やるのに良い気分はしない。もしそれでも24時間登山子供やらせたいなら、「登山が好きな子供に、もっと低い山で、天候の良い日に(台風の来ない時期に)登らせる。そしてその録画を本放送で流すべき」だろう。天気の良い日に登らせた方が登山きな子供だったら景色見れて喜ぶかもしれないし、大雨真っ白な画面よりはテレビ映えもするだろう。

しかし大菩薩下山ですら大学時代足がガックガックになった身としては、やっぱテレビ企画という失敗があまり許されない奴で子供登山させるのなんてやめた方がいいと思わざるをえない。まあ何言ってもやめなさそうだけど。

余談だが北アルプスとかでも親子でイキイキと歩いてる登山者かいて、後ろで死にかけてた自分はいやあ子供って体力ある子はほんとすげーなと尊敬しました。

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