格差問題(相対的貧困)の問題を解決するためには、というか政治的な問題はなんでもそうだけど、合意形成をしないといけない。
つまり求められているのは「富裕層を説得できる論」や「富裕層を説得できる論者、政治家」なんだけど、所得転移を唱える人々は、どうもその部分には本当に関心がないようだ。
「格差を解消すべきなのは火を見るより明らかな正義なので説得の必要なく相手は合意すべき」みたいな傲慢さがある。これって結局、ここ十年露呈し続けてきた、左翼の高慢の限界なんだけど、なぜかそこをどうにかしよう(つまり説得できるロジックや政治行動をしよう)という行為が、全くない。
その代りに「こういう理屈が分からない政治家は馬鹿だ」とかいう見下し節が始まるんだけど、いや、その見下しをしてすっきりする(するのか?)以外にどんなメリットがあるんだよ。
いまの格差解消議論において、所得転移とひとことでいうけれど、高額収入者を説得できるような論がひとつも見当たらないっていうのは、本当に不幸なことだと思う。