バイト終わりにご飯食べに行ったり、カラオケ行ったり、毎晩LINEするぐらいの仲だった。
その子には付き合って3年になる彼氏がいて、それを知ってたから、思いを伝えられずにいた。
ある日、彼氏と喧嘩して、気まずい雰囲気になってると相談を受けた。
チャンス!と思う反面、それでいいのかという思いもあり、特に行動は起こさず、只々愚痴を聞いてた。
とか、とんでもないことを言い出した。
そんなこと言われたら、もう抑えてられない。
彼女に思いを伝えた。
「少し、考えるね」
そう言って、その日のLINEは終わった。
次の日から、気まずい雰囲気になるかと思いきや、特にそういうこともなく、
ほんの少し、お互いがお互いを気にする様になった。
ヘタレで恋愛経験のない俺は、その時の少し甘酸っぱいような空気だけで満足していた。
この時、もっと積極的になっていれば、何か変わっていたかもしれない。
やっぱ、そうなるか。
俺は、グッと我慢して、諦めようとした。
「正直言うとね、彼氏と別れて、増田君と付き合うことも考えたの」
「でも、彼氏とは、もう3年も付き合ってるし」
そんなこと言われても、俺にはどうにも出来ない。
諦めきれない俺は、その後も何度かアピールを続けたけど、
彼女はそれを拒んだ。
迷って欲しい。
俺を選んで欲しい。
彼氏と別れて、俺のそばに居て欲しい。
けど、駄目だった。
これ以上は、もう何も出来ない。
生まれて初めて心から愛せる人が出来たのに、これからの俺の人生に、その人はいない。
話に聞いてたより、想像していたより、ずっと辛い。
あの子の笑った顔が好きだった。
いじわるすると、困った顔をしながらも、嫌じゃない、と言って笑った顔が忘れられない。
時々見せる、辛そうな顔が見てられなかった。
これから先、誰か好きな人が出来たとしても、きっと、あの子のことを思い出す。
俺の知らない誰かの隣で笑うあの子を、きっと、思い出す。