国民が盲目の国があった。
そこに海外から目の見える人間がやってきて、目が見えるようにする手術があるんだと持ちかける。
彼がいかに視覚が素晴らしいかを説いても、やはり体験しないと伝わらないもので、国民は懐疑的だった。
そのうち国民の声は疑問から罵声に変わる。
手術は痛いのだろう?失敗したらどうすると?そんなものは不要だと!嫌なら出て行け!
好意の外国人は、嫌になってその国から飛び出していった。
好奇心旺盛な何人かの国民は手術を受け視覚を手に入れ、それがもたらす素晴らしさに感動した。
が、彼らもまた外国人と同じ運命を辿った。
数年後、その国は外敵に襲われ滅びてしまった。
やらなくてもいいと思っている人間を説得するのは難しいのだ。
たとえ、それが致命的な結果をもたらそうとも。
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