2016-07-16

断言はしないが、チャットボットも関連ビジネスも機会はあるよ

はじめに





先日、はてな匿名記事で大きくバズってる記事があったので、拝見したが、何とも言い難い気持ちになった。

匿名記事なので、あえて私についての説明を加える必要はないかと思うが、某記事と近い立ち位置であることはご理解頂きたい。

チャットボットに関する議論方向性が見えないのは、チャットボットというワードによって、様々なものを一緒くたにしてしまっているかである

現状は、切り分けると実に多様である

チャットUIのものの「チャット」なのか、Facebook MessengerLINEなどのプラットフォーム依存の「チャット」なのか。

人工知能を用いた「ボット」なのか、単純に応答を返す「ボット」なのか。

今回は、プラットフォーム依存の「チャット」、単純に応答を返す「ボット」という意味でのチャットボット実用性についてお話したい。

そもそも、昨今のチャットボットブームというのは、Facebook MessengerLINEなどがプラットフォームを公開したことに依るもので、そこに新規性があるはずで、今しなければいけない議論はここにある気がしている。



チャットボットユーザーフィットするか



よく言われるのが、ユーザーは使うのかどうか、という話であるが、プラットフォームがβ版の最中で、今これを議論するのは時期尚早である

だが、在米時代Uberボットを使ってみたり、在中時代WeChatで色々とボットを試してみると、これがかなり便利なのである

私はそもそも電話が嫌いであるし、ウェブアプリを横断するのも面倒くさい。

その中で友人などとメッセージをやり取りし、そこからアプリを動かずに予約をしたり、企業に問い合わせたり、というのは手間が省けて実に良い体験であった。

では日本ではどうだろう。

ここは、まだユースケースが出ていないことが問題である

だが、若者世代含め、チャットアプリ生活の大きなパイを占める時代においては、当然求められても納得出来る。

であるからして、予約や定期的に購買するECデリバリーサービスメディア諸々、チャットだけで完結するようなユースケースは必ず出てくると思う。

そういったケースが増えていくと、「これはなんでチャットで出来ないんだ」という時代が来てもおかしくはない。

いろんなものネット可能になった時に、「なんで今の時代ネットで出来ないんだ」と思われたと同様に、だ。

チャットじゃなきゃダメなんですか?」ではなく、「チャットじゃダメなんですか?」という問が来る日もそう遠くはないかもしれない。

課題



一方で、課題は山積みである

今回、人工知能型ではないものに重点を置いたのは、人工知能型には課題が多すぎるからである

自然言語処理も精度は高くないし、無論、感情を読むなどはまだ先の話になるだろう。

そして、まるで人間ですよ、というものに対し、ユーザーが対人コミュニケーションを望むのは間違いない。

人間に話しているのに、およそ意味不明な回答が来たらユーザー離脱するだろう。

一方で、そもそも人間ではなくただのシステムだと認識していたらどうだろう。

今は、ユーザー企業も、雑談人間らしさはさておき、ちゃんと言ったことをこなすコマンド型のボットに期待すべきだ。

いわば、アプリチャットUIにして、コモディティ化しているプラットフォームで公開する、ということだ。

今までユーザーアプリに対して人間らしさ、などというものは微塵も期待していないはずで、そのようなボット像を目指すべきではないかと考える。

また、ユーザーに広く使われるためには、チャットボットと言えども、UXは非常に大切である

この点においては、プラットフォーム解決しようと頑張っている。

FacebookがQuick Replyという機能実装したことから見えるのは、

⑴そもそもユーザー発言に揺れが出ないように、最初から選択肢を用意しよう

ユーザーテキストタイプする手間を省いてタップだけで済むUIにしよう

ということであり、チャットボットが広く使われる上でのUIを見越していると思われる。

その上で、企業側も前述のようにプラットフォームが用意したUIいかにフル活用して、いかユーザーが使いやすものを作れるか、が非常に重要だと考える。





最後



多様なものが混合しているワード漠然差して、「これはない」というのは暴論だろう。

1VCさんが、この領域絶対ない、というのは新規投資スクリーニング有用だと思うが、それならば実名にし、そのVCではチャットボットサービスには投資しません。

と言ってしまった方がコスト削減になるのではないだろうか。3割もの方がチャットボットサービスについて話し、毎回同じ議論をしているのだとすれば、それこそ無駄である

なんなら、事業内容を聞いて、「チャットボット」というワードが入れば「事業内容を変えなさい」と返すチャットボットでも作ってみてはいかがだろうか。

こういった機会は、毎回必ず様々な議論を生み出すが、全員の意見が一致しないからこそ、投資価値があり、それを見抜いたものが勝つ業界だと思っている。

から、是非ともチャットボットサービスを考えている皆さんは、ちゃんと自身サービス価値を見極めた上で、頑張ってほしい。

チャットボットが来るかどうかは分からないので断言はしない。

だが、その不確実さこそ、次なるサービスが生まれる絶好の機会ではないだろうか。

  • 知り合いがピザを頼めるチャットボットとか作ってたけど、ぶっちゃけ普通に買うよねw

  • 「機会はある」ってなんなの(笑) 「チャットボット」というバズワードに騙されてウンコゴミカスな案件引っ提げて起業したいとかいうアホが大量にいるからのあの記事ちゃうの? 100案...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん