2016-06-29

彼女が実は関西人だったので別れた。

まれた時から東京人だと思っていた。ナチュラルボーン東京人だと。メトロポリタンアンニュイハイソでビーバップ東京人だと思っていた。

でも、実は関西人だったなんて。思わずなんでやねん」という怒号が襖を揺すったほどだった。そのなんでやねん人生初のなんでやねんとしては、プロ関西人を思わせるほどで、身振り手振りはまるでフィギアスケートのような柔と剛を重ね備えた完璧なんでやねんだった。

そのなんでやねんのあまり発音のきれいさに、改めて自分関西人であることを悟った。その日から私は関西人になった。全てを受け入れた。NOVAにかよって関西弁練習さえもした。関西人とは関西人であるのではなく、関西人になるものなのだ。どちらかといえば関西方言を忌み嫌っていた私が実か関西人だったなんて。通りで、お好み焼きがやたら好きだと思っていた。お好み焼きにご飯を合わせて食べる側の生き方をしてきた。広島焼きに他意なき敵意さえ抱いていた。それは、私の血液に流れる関西人DNAによるものなのだ

吉本も録画するようにした。探偵ナイトスクープも見るようにした。雑煮白味噌にした。いざとなれば道頓堀から飛び込めるように、プールで飛び込みの練習もしている。一流の関西人になるために、私は日々、関西人努力を重ねる。いつか憧れの聖地オーサカにいけるように、私は日々、関西に祈りを捧げ続けた。

しかし、問題が1つある。彼氏関西人嫌いなのだ。いつも私はそれに乗っかり「そうよね。六甲おろし国家地域なんて激しすぎるわよね」と言っていたのだった。まさか、そんな私が関西人だなんて。

でも、避けて通れない。私は携帯で、彼氏電話番号を押す。自分関西人とわかってからの一ヶ月会ってない。

電話に出る彼氏他愛のない雑談。そして、私は言う。

「ごめん。私実は関西人だったんだ。そんな彼女嫌よね、別れましょう。でも、どうしてあなた関西人をそこまで嫌うの?」

「俺も関西人からやで」

なんでやねん!」

http://anond.hatelabo.jp/20160628063357

記事への反応 -
  •  つきあって一年ぐらい経過し、  俺たちのお年ごろ的にもそろそろ結婚を視野にいれなくちゃなー  とそわそわしていたら、  彼女から突然LINEが入って「言わなくちゃいけないこと...

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