2016-06-28

人はなぜリストアップ形式記事に惹かれるのか――77の理由と4の仮説

 はてなブックマークホッテントリでは「おすすめな◯◯十選」だとか

 「デキる人が実践してる五つの△△」だとか

 まあそんな感じの記事を頻繁に目にする。

 なぜだろう。


仮説その1: 読みやすい。

 一見すると、「節ごとに小分けしてある分、リストアップ形式記事は読みやすい」というのはなんとなく妥当性がある気がする。

 はてして本当にそうか?

 短さとわかりやすさが比例するのであれば、俳句などは究極的に読みやす文章のはずだ。

 百歩譲ってリストアップ形式が究極的に読みやす記事形式であったとしても、可読性が高伝導率を保証してくれるとはかぎらない。


 

 リストアップ形式記事はざっくり二つのタイプに分けられる。

 ひとつは「オススメな◯◯」の◯◯に該当するブツを一つずつ並列に紹介していく拡散方式

 もうひとつは「△△が□□である理由」の□□を並べて△△を説明していく収斂方式だ。

 後者は「結論を先に明示して後から理由説明する」という論文執筆作法に則っている。常に「何について説明されているか」が明白なため、比較的わかりやすい。欠点エンタメ性の欠如だ。結論部が先に来てしまサプライズが期待できないのもあるが、構造のもの説明のためのものであるので、書いてる側の意識自然事務的に、説明的になりやすい。

 万人が興味を持つような題材を取り上げているという自信を持てない場合は、刑事コロンボのように折々にフックを作ってスリリングさを保つしかない。


 一方でリストアップ形式の大半を占める拡散方式は書いてる側の意識が足らないと、記事一貫性を欠く。ダメNAVERまとめtogetterが読みにくい原因がコレだ。

 「私の好きな◯◯10選」といった貴様の好きなものリスト系は特にこの罠に陥りやすい。

 とはいえ、たとえ記事一貫性がなくとも読者は10選のなかから勝手自分フィットするブツを見つけて言及するものだ。

 たとえば、映画リスト記事だったら、他の九作品が読者の琴線にまったく触れずとも、最後の一個で言及したくなるようにさせればそれでブクマがつく。


 そう考えると、ブログ記事には有用性もリーダビティ一貫性必要とされていないのかもしれない。

 あるいは記事に書いてあることの一割も理解してもらう必要すらないのだ。

 ブクマ界隈において特に重要なのはブクマカ一言口を挟みたくなるフックが用意されているかどうかだ。

 リストアップ形式記事ホッテントリにあがりやすいのは「フックの数が多い」の他に、

 1) 言及ときにひっかけられるフックの位置がわかりやす

 2) 箇条書きにしてあるとそれがフックである錯覚やす

 ためであると思われる。


 お笑いバラエティで「笑いどころ」にテロップや笑い声が示されるようなもの

 ブクマカもまた「言及しどころ」(ツッコミどころ、と言い換えても良い)がわかりにくいとブクマをつけにくい。

 中身ゼロ釣りタイトル記事蔓延るゆえんもそこだ。

 ブロガーの皆様におかれましては、この事実を踏まえてクソみたいな記事の量産に励んでいただかれたい。

記事への反応(ブックマークコメント)

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