2016-05-31

妊婦の席譲れ投稿について

Facebookで、とある妊婦の方の投稿を読んだ。

もやもやした。

よくある話なんだが、内容はこうだ。

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私は7ヶ月の妊婦

電車に乗っていて、マタニティーマークも付けてるけど、みんな気付いているはずなのに、席を譲ってもらえない。

優先座席の前でも譲ってもらえない。

都会だからか?私が外国人に見えるからか?

今まで譲って貰えたのは、5回くらいしかない。

日本はいつのまに、こんな悲しい国になったんだろう。

____

と、外国人風の妊婦らしき、ふくよかに見える女性と、電車に乗っている人々の写真を一緒に、日本語投稿している。

私も妊婦体験し、今1歳の娘がいる。

それを前提に、私の考えを書いてみたい。

この妊婦の方が言っていること、つまり「どうして誰も妊婦である私に席を譲らないんだ?」は、何も間違っていない。

年寄りや体の不自由な方に席を譲れ。

妊婦に席を譲れ。

赤ちゃん連れ、子連れに席を譲れ。

大体の人は、小さい時から大人にそういわれて育ってきている。

それが正義だって、正解だって、誰だって分かってる。

多分、この妊婦の方が投稿した写真の中に映ってる人全員が、そうだと言うはずだ。

ただ、これは正義過ぎるんだよ。

この写真の中にいる全員が、仮にこの女性100%妊婦だと確信した状態でも、尚座り続けていたのであれば、「この女性に席を譲れない」何かしらの理由があったのではないかと考える余地があってもよかったのではないか

そもそも、妊婦からといって、100%席に座れるなんて考えない方がいい。

この考えが寂しいって?

違うよ。

みんな、他人事情なんて分からないってこと。

しかしたら、妊婦の目の前で座っているこの女性も、見た目には分からないけど初期の妊婦かもしれない。

しかしたら、妊婦の目の前で座っているこの男性も、見た目には分からないけれど体調が悪いかもしれない。

そうじゃない人もいるとして、

席を譲りたいって思ってる人は、たっくさんいるんだよ。

だけど、それを口に出せない、行動に移せない。

なぜかって。

正義を行うこと、つまりここでは「席を譲ること」。

それはとても勇気必要とする行動だ、、、なんてもう過去世界中で1000億人くらいの人が使ったフレーズだろうか。

でも本当に、勇気がいるんだもん。

100人のうち100人勇気持ってるわけない。

多分、100人のうちの1人くらいしか持ってないのかもしれない。

もうしょうがない。

本当は譲りたくても、勇気が無くて心の中で「ごめんね」と呟きながら、座っているかもしれない。

または、「わたし妊婦なんで、早く席譲ってくださいよ」オーラを(出していようがいまいが)感じて、意地悪をした人も居たのかもしれない。

そんな人は、それを誤魔化す為にスマホをいじり、その日1日くらいは罪悪感を感じて過ごすだろう。

可愛いじゃないか


この投稿した妊婦の方は、今まで100人のうちの1人の勇気ある女性だったのでしょう。

から、99%の人間気持ちが分からないのかもしれない。

自分以外の乗客全員が健康で、自分に席を譲るべき人間だと考えていたのでしょう。

その結果、この方のこの日、この時間、この場所で利用した電車内では、残念な結果になったまでの話だ。

それを、Facebookで大々的に投稿し、さも毎度毎度こんな感じです、ちょっと日本どうなったの?????

と言うのは、なんだか少し違うのではと。

まるで妊婦代表かのように、こういうことを書く女性に、私は憤りを感じる。

こういうことを書く妊婦いるから、上記の様に妊婦に意地でも席を譲ってやらないぞ、という考えを持ってしまう人が増えてしまうのも否めない。

私の妊娠中、確かに席を譲って貰えなかった車内もあった。

だけど、譲って貰えたことだってあった。

この女性も、5回譲ってもらえた、とコメント内で書いている。

この女性は、席を譲って貰えなかったこの車内のエピソード写真世界に発信するのではなく、

譲って貰えたその5回の話を、5回とも書いて欲しい。

この5人の話をすれば、99%だった人達の中には「ああ、自分もやってみよう」と思う人が出てくるかもしれない。

席を譲って貰えないことなんて、妊婦に限らず、子連れの人、怪我をした人、病気の人、年老いた人、みんな経験している。

じゃあ、みんなその恨み辛みを書くの?

それ読んで、誰が喜ぶの?

そうじゃないんだって

そんなこと言ったって、どうにもならないんだって

譲ってもらえた時のことを、覚えておこうよ。

優しくしてもらえた時のことを、みんなに伝えようよ。

私は妊娠中や赤ちゃんを連れての移動中、他の方達から手を差し伸べてもらった時のことは、はっきり覚えてる。

過去妊婦の酷い体験談を何件も読んだせいなのかな、涙が出る程嬉しかった。

そして私はその時に思った。

ああ、やっぱり日本って優しい国だなあ。ありがとう

って。

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