2016-05-31

ガルパン劇場版の戦力を数値化してみる

 その昔、「ガルパン各校の実力を数値化してみる」というのをやってみたことがある。

http://anond.hatelabo.jp/20140907144051

 今回は同じ試みを劇場版で試してみよう。参照したのはWoTwikiサイト。

http://wiki.wargaming.net/en/World_of_Tanks

 冒頭のエキシビションについてはこちらに乗っていた一覧を参照。

http://blog.goo.ne.jp/gfi408/e/6279da4b0f412baeee27fae53ecd1ece

 そして大学選抜戦では有名なこちらの図を使用。

http://livedoor.blogimg.jp/achtung0430/imgs/7/7/77ccba22.jpg

 まずは個別の戦車について。以前は実装されていなかった八九式が実装されており、Tier2となったことが分かった。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:J26_Type_89

 またファイアフライはTier6になった。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:GB19_Sherman_Firefly

 クルセイダーはTier5。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:GB20_Crusader

 CV33は引き続き実装されていないため、前回採用したTier1をそのまま使う。

 知波単の車両については九七式がTier3。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:J07_Chi_Ha

 九五式はTier2となる。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:J03_Ha_Go

 M4A1も実装されていないので無印M4と同じTier5にしておこう。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:A05_M4_Sherman

 大洗側で最も謎なのはBT-42。ただ元になったBT-7はTier3だ

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:BT-7

 またBT-7に榴弾砲を搭載したBT-7AもTier3である。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:R105_BT_7A

 以上を踏まえてBT-42はTier3とする。

 続いて大学選抜、主力のパーシングはTier8だ。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:A35_Pershing

 T28重戦車もTier8。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:T28

 センチュリオンも同じ。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:GB23_Centurion

 チャーフィーはTier5となる。

http://wiki.wargaming.net/en/Tank:M24_Chaffee

 まったく分からないのがカールだが、あの派手な演出からTierは上限の10にしておこう。

(1)エキシビション

 双方16両という、TVシリーズと比較すれば結構大規模な対戦。中身は以下の通り。

(a)大洗・知波単連合

 大洗 8両(Tier合計36、平均4.5)

 知波単 8両(Tier合計23、平均2.9)

 合計 16両(Tier合計59、平均3.7)

(b)聖グロリアーナ・プラウダ連合

 聖グロリアーナ 8両(Tier合計38、平均4.8)

 プラウダ 8両(Tier合計46、平均5.8)

 合計 16両(Tier合計84、平均5.3)

(c)総評

 知波単弱い。そして前にも書いたが売れ残りでこの数字を出せる大洗は昔は強かったんだろう。

 一方、これだけの差があるのに最終的に残った車両は大洗・知波単が3両、聖グロ・プラウダが2両だったことを考えるなら、錯綜地形での大洗の実力は本物ではないかと思われる。

(2)大学選抜戦

 双方30両に及ぶ大規模な対戦。それぞれの中身は以下のようになる。

(a)大洗連合

 大洗 8両(Tier合計36、平均4.5)

 黒森峰 4両(Tier合計29、平均7.3)

 サンダース 3両(Tier合計16、平均5.3)

 プラウダ 4両(Tier合計25、平均6.3)

 聖グロリアーナ 3両(Tier合計15、平均5.0)

 アンツィオ 1両(Tier合計1、平均1.0)

 継続 1両(Tier合計3、平均3.0)

 知波単 6両(Tier合計17、平均2.8)

 合計 30両(Tier合計142、平均4.7)

 相変わらず知波単が弱い。アンツィオは論外。黒森峰とプラウダが突出して強い。

 この戦力を最初に3つの中隊に分けていたが、その内容は以下の通り。

・ひまわり 10両(Tier合計63、平均6.3)

・あさがお 10両(Tier合計37、平均3.7)

・たんぽぽ 10両(Tier合計42、平均4.2)

 中央のひまわりが強力である一方、両翼(とくにあさがお)の弱体ぶりが目立つ。

(b)大学選抜

 合計 30両(Tier合計233、平均7.8)

 黒森峰すら上回る平均値。さすがは事実上の戦後戦車集団。

 当初はこれを4つの部隊+センチュリオンに分けて運用していた。それぞれ以下のようになる。

・メグミ 9両(Tier合計69、平均7.7)

・アズミ 8両(Tier合計61、平均7.6)

・ルミ 8両(Tier合計61、平均7.6)

・カール 4両(Tier合計34、平均8.5)

・アリス 1両(Tier合計8、平均8.0)

(c)総評

 車両数こそ同じだが戦力的には大学選抜側の方が圧倒的に強い。特に大洗側は最初に分けた3中隊のうちあさがおの弱さが目立っており、緒戦で容易に突破されてしまったのもそのあたりが理由だろう。

 大洗連合の主力がひまわりだと看破し、カールの砲撃に加えて2個中隊での包囲によってその戦力をすり減らしたところまでは大学選抜の目論見通りだったといえるだろう。

 まずかったのは、どんぐり小隊にカールと一緒にパーシング3両までまとめて葬られたこと。パーシングを残していればまた結果は違ったかもしれない。

 何より最大の失敗は遊園地まで逃したことだろう。性能差を生かしきれなくなる乱戦に持ち込まれる前に、極力追いすがって相手をすり潰すように行動すべきだったように思われる。舐めプしていたと言われても仕方ないのでは。

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 以下追記

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 まさかブックマークがつくとは思わず、説明不十分なままアップしたらしっかりツッコミが入っていた。

 ここはせっかくなので、なぜ「追いすがって相手をすり潰すように行動すべき」だと思ったのか、もう少しきちんと説明しておきたい。

(1)追撃して伏兵を食らったら、という懸念について

 たんぽぽは大学選抜左翼と交戦中であり、彼らの動きは把握できている。ひまわりは半減して退却中、あさがおは突破された後に大学選抜を追いかけている状態。試合に参加している車両が最大30両というのは事前に分かっているので、これが大洗の全戦力であることも把握できたはず。従って追撃に対して伏兵として待ち伏せできるのは逃走中のひまわり5両しかないと判断できる。たった5両の待ち伏せを心配して、追撃をやめるどころか敵との接触まで断ってしまうのは、果たして正しい判断だろうか。

(2)プラウダの後衛戦闘について

 かーべーたんの奮闘は間違いないし、あれで時間稼ぎはできたとは思う。でも大洗はそのあとでどんぐり小隊をカールの偵察&攻撃に送り出しており、彼らが本隊に戻ってくるまで本隊はどこかで待機していたはずだ。その時点での大洗本隊は車両数19両、これに対して大学選抜はカールとその護衛のパーシング3両、さらにT28を除いても23両ある。Tier合計ならもっと優勢だと考えていいだろう。大洗本隊の位置を特定して全力で攻撃に出る選択肢を選ばなかったのはなぜか。

(3)大洗本隊の位置が分からなかった

 可能性はある。でも例えばどんぐり小隊がやって来た方角を偵察するなどの対応を取って探し出すことはできなかったのだろうか。あるいは最初にたんぽぽと接触していた左翼はどうしてそのあとでたんぽぽを見失ってしまったのか。どんぐり小隊が砲煙にまぎれて姿を消した時も、大学選抜は見失ったまま何もしていない。小隊を探すか、あるいは小隊以外の本隊を探すか、そうした努力をしようとはしなかったのか。

(4)探したけど見つからなかった

 この場合、大学選抜は無能と言われても仕方ない。大洗側はカールの位置までしっかり見つけ出しているのだから。

(5)開豁地でも錯綜地形でも勝てると考えていた

 これが一番ありそうに思える。遊園地跡に逃げ込まれ、個々の戦術や技量を巡る争いになっても優位は揺るがないと考えるなら、203高地戦の後で大洗連合に対する追撃の手を緩めても問題とは思わないだろう。おまけに西住流といえば「撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し」という、どちらかと言えば正攻法で知られており、錯綜地形を生かしてゲリラ戦をやるタイプの相手とは思いづらい。大洗自体は奇策の連打で優勝したのだが、大学選抜側にはその情報が十分に伝わっていなかったのだろう。何しろこの試合は急きょ設定されたものだけに、「西住流大洗派」のやり方を十分に把握する時間がなかった可能性はある。

(6)戦車道

 あとは「開豁地でも錯綜地形でも勝てる」事実を示すことで、島田流が西住流を圧倒していることを証明しようとする気持ちもあったかもしれない。これが戦争なら勝てそうなときに確実に勝つことが優先されるだろうが、そうではない。「ザッツ戦車道」と考えて試合に臨んでいたのだとしたら、「追いすがって相手をすり潰す」方が有利だと分かっていてもそうはしなかった理由が説明できる。

 以上、いろいろと書いてみたが、あくまで個人的な考えにすぎない。いろいろな見方ができるのがいいフィクションだと思うので、この見解に同意してもらいたいとは言わない。酒の肴代わりになれば十分だろう。

記事への反応 -
  •  今更ながらガールズ&パンツァーを見たんだが、戦車に詳しくないので各校の実力がどの程度なのか分からない。そこでWorld of TanksのTierという概念を使って各校の戦力を推定してみる...

    •  その昔、「ガルパン各校の実力を数値化してみる」というのをやってみたことがある。 http://anond.hatelabo.jp/20140907144051  今回は同じ試みを劇場版で試してみよう。参照したのはWoTのwiki...

      •  前回と同じデータを使い、いくつかの局面ごとの戦力についても調べてみた。  まずはエキシビション。 (1)ゴルフ場バンカー  大洗・知波単 12両(Tier合計43、平均3.6)vs 聖グ...

    • 前回の続き。今度はTierではなく戦車の乗員数で調べてみた。 と言っても大洗は定員を満たしていない戦車が複数ある。38(t)は定員4人に対し実数3人、M3リーは7人に対して6人、B1bis...

      • さらに続き。今度は大洗各車両の戦果をまとめて数値化してみた。やはりWorld of TanksのTierを使用。以下のページも参考にした。 http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%26%E3%83%91%E3%...

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