2016-04-22

あれから20

1979年まれ子ども1歳。来週から仕事復帰する。

大学入学とともにインターネットに触れ、ネットの隆盛をウォッチしてきたつもり。

貴重な時間無駄にしてしまったとも、時代の変化をリアルタイム体験できた唯一の世代ともいえる。

ネットに触れる前、1995年は、阪神淡路大震災地下鉄サリン事件Windows 95発売と、今につながる転換点となる大きな事件があった。

アニメ新世紀エヴァンゲリオン」は、1995年10月1996年3月放送。今年は、TVエヴァ最終回から20年でもある。

当時、声優緒方恵美さんのファンだったので、初回からビデオで録画し、各話とも何回も何回も繰り返し見た。

今週、口腔外科の1泊2日の手術のため、入院することになり、Kindleセール時にまとめ買いした「貞本版エヴァ」を最終回まで初めて読んだ。

実は、コミックは当初の数巻は買っていたが、発行の遅さに購入をやめていた。

読みながら、アニメ版セリフカットが蘇る。後半は1997年上映の劇場版のシーンが浮かぶ。

媒体は紙ではなく電子書籍になり、当時は存在しなかったスマートフォンでページを送る。

一部のアニメファン声優ファン熱狂していた当時、誰がこんな未来を予想しただろうか。

しかも、エヴァマニア作品ではなく、ネット上ではスタンダード作品に「昇格」した。

1995年は、「エヴァ放送前は「ガンダムW」が人気を得ていた。

エヴァ」がなければ、アニメマンガはもちろん、ネットエンタメ全般トレンドも今とは違っていたはず。

毎週、画質の汚いビデオテープを繰り返し再生し、セリフを覚えるまで見て、大げさではなく、人生が変わった。

物議を醸した最終回放送後、ラジオ新聞も取り上げるようになり、世間も騒ぎ出した。

一般的には旧劇場版新劇場版のほうがムーブメントだと認識されているかもしれないけれど、

誰が何と言ってもエヴァのピークは1996年3月。とにかく20話以降、続きが気になって仕方なく、毎回、衝撃的だった。

ファン同士のつながりは、アニメ誌だけ。パソ通では盛り上がっていると聞いたが、触れる手段はなかった。

あれから20年、コミック版を見て、週1回放送の「テレビアニメ」だったこそ、ハマったと感じた。

声・音楽抜きで、ストーリーだけ追うと、陳腐で、今となっては、それほど新鮮味はない。

ただ、貞本義行氏の絵の時にエロティックな巧さに感心した。

特にミサトと加持のからみは、出産後、恋愛感情消失した身には、眩しく羨ましかった。

貞本エヴァの主役は、トラウマに囚われた大人子どもミサトに思える。

名作と呼ばれる作品は、後から評価されるパターンもあるけれど、時代とのリンクが大きい。

エヴァ」は、当時、学校や親との関係に悩んでいた人の心の支えだった。

新劇場版は、毎回、見ているけれど、TVアニメリアルタイム視聴時の熱さには及ばない。

いっそ、子どもと一緒に映画館に行ける日まで、完成しなくていい。

10年後、「あれから30年」と振り返る頃、自分はどうなっているのか、アニメファンが目立つネットはどうなっているのか。

スマートフォンが普及し、よりリアルタイム性が重視されるようになった結果、

コンテンツの大半は消費するものになり、「心の支え」にはならなくなってしまった。

未来は予想しない方向に転がっていく。生きることは、歳を重ねるごとに厳しくなる。運転ミスは命取りになり、仕事で失敗したら貧困に転落する。

今も昔も、現実世界他者は、「助けて欲しい」「悩みを聞いて欲しい」という叫びを聞いてくれない。

ネットいくら検索しても、答えはどこにも見つからず、一人で頑張って解決するしかないと悟ったけれど、いま、とても不安だ。

貞本版では意図的に削られているけれど、何度も「逃げちゃダメだ」と自分に言い聞かせて生きてきた。

死ぬまで、ずっと、この言葉を繰り返し続けるだろう。ありがとうエヴァ

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