2016-03-31

一円

ふと気になったので5年ほど放置した貯金箱の中を調べてみた。額は3000円以上だが百円玉は15枚、五百円玉ひとつもなかった。一円玉は400枚以上あった。

一円玉は使いにくい。一度にたくさん出すと恥ずかしいし、それに財布が膨らんで嫌だ。10枚あっても困るのにこんな数を一体どうすればよいのか。そもそもかさばるからと小銭をただの箱に入れていたのが元で、だからこんなに貯まったんだな。

一円玉の使い道に困っていると、中学生とき美術で作った色紙用額縁を思い出す。これは木の額縁に好きな模様を彫り、好きな絵と好きなポエムを書いた色紙をはめて完成というものだった。当時の私はプライドが高く、デザインだとかポエムというようなもの表現することはセンスを問われているようで恥ずかしかった。だから額縁には適当に線を入れて彫り、好きでもないのに、マジックテープの小銭入れから取り出した一円玉を模写して「一円を笑うもの一円に泣く」と下手くそな字で書いて提出した。こんな感じであったから、美術の授業では言い訳できるように一目で適当にやったとわかるものばかり作っていた。一円で泣くことってなんなんだよと思いながら作っていた額縁であったが、これを含め当時の話を人からされると、泣かないにしても恥ずかしくてしんどいものがある。プライドが高いのは変わっていない。

一円玉が大量にあるだけでもやっぱり泣くことはない。むしろこれを笑える方法を探したい。

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