2016-02-06

マンションの隣りの住人

マンションの隣りの住人、多分酔っている時なんだろうけど、男の人なのに原音でaikoを歌う。

これが妙にしっかり高音が出ていて音程もしっかりしている。槇原敬之ちょっと崩れた感じ。

私も同じようなaikoで育った世代から懐かしく聴いてる。上手だし。流石に一番高いところはきついみたいだけど。

30年生きると一時代だ。ゲームボーイとかルーズソックスだとか。当たり前だったものが移り変わった。

過去をふと振り返ってしまう。そんな世代になった。

酔った彼の歌声は、そうした過去への憧憬を刺激する。

彼はきっと敢えて、aikoを歌っているのではないか。過ぎ去ってしまった過去。過ぎ去った当たり前。

aikoは超時代的な側面がある。今だって若い女の子の心を掴む。これってすごいことだ。

彼も、恐らく私も、そのaikoの磁力のようなものに信頼を置いている。だから歌う。口に乗せる。

隣りの彼は、最近の曲も歌う。「君の隣」とか。これがまたいい。「花火」や「ボーイフレンド」と同じくらい良い。

時代が繋がっていることを印象付ける。憧憬だけだった過去が今に繋がる。

30になるといろんな意味責任や人的関係が積み重なり、それなりにがんばんなきゃだめ。結婚だとかなんだとかもうるさく言われる世代だ。

彼の歌はそんなこととはちょっと距離があって、aikoという「ものさし」で、私たち世代が歩んだ道を、下から積み重ねて示してくれる。

理想的なあれこれ…だけじゃなく、下から積み重ねてきて30年それなりにやってきた積み重ねを見てくれる。

aikoってのはそういう「ものさし」になるんだ。だから彼も一生懸命原音で歌うし、私もそれを憧憬を以て聴く明日仕事頑張ろうと思えるわけだ。

  • 自分は生まれた時にはすでにバブルが弾けてて物心ついた時にはサリンが撒かれてたくらいの世代 十八番はBE TOGETHERとCAN YOU CELEBRATE 何も考えずに、無論感傷なんてなくただ気持ちいいか...

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