うちが貧乏だったので、おとしだまをもらった記憶がない。
この正月に帰省したら75歳になる母親から、
「あんた、おとしだまもくれないのかい」
と、いやみを言われた。
すでに痴呆症の父はその横で、
「ぴろーん、ぴろーん」と叫びながら、くるくる回っていた。
仕方なく、母に現金で1万円を渡し、これで父の好きなお寿司でもとってよと言った。
母は「すまないね」というのが早いか、手が早いか。さっと1万円を取った。
父は「ひぃー」と泣いた。
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