2015-12-07

過激な言動は世の中を変えない

最近特にこれ思うんだ。思い込みかもしれないけど。

ぱっと見では刺激的だから人によく伝わるような気がするんだけど、実は過激な言動って「元々その考えに近い人」にしか届いてない。

政治的な対立なんかで例えると分かりやすいけど、明らかに右派な人の言葉右派だけに、左派言葉左派だけに染みこんでる。

男女平等とか資本家 vs 労働者とか・・・世の中の勢力が衝突する全ての争いはほぼ同じような動きしてるよね。

自分の敵を派手にこき下ろしたりすれば歓迎する層は確かにいたり、面白がって見る人はいるけど、結局沈黙を守ってる多数の人間は「極端過ぎる」って冷ややかな目で見ちゃう

その言動は「一番心を動かしてもらいたい最大多数の中間層に全く届いてない」ってことなんだ。

自分と似た勢力を増やしていけばいつか世の中変わる」

「大きな波を起こせはそれは隅々まで伝わって世の中を変える」

なんて言いたくなるかもだけど。

過激な言動は同時に反発を持つものも増やして育てちゃうんだよな。だから必ず反動勢力が生まれてくるものなんだよね。

そして左右の両端で罵り合いを続けていて、中間層はそんなことが起きていることすら知らなかったりする。

水桶を左右に傾ければ波が起きて桶のフチを叩くけど、真ん中付近の水は全然動いてないみたいに。

例えば現政権はまあ右派資本家だったり高齢者だったりに手厚い方向の政権だけど、そういう時代に今まで無かった若年層で構成された左派SEALDsってものが出現したのはそこそこ興味深いよ。

米国でも対外的弱腰と言われたオバマ政権の後に、外に対して攻撃的なトランプが出てきて支持を集めてるってのも興味深い。

で、長い目で見れば過激な勢力とその反対勢力で釣り合いが取れて潰し合って、結局「アレコレ潰しあったのに、何もしなかった時と結果が変わらない・・・全体として悪くなってるかも?」ってことが当たり前に起きる。そりゃそうよね、自分の敵を叩くことに必死になりすぎて、足元が見えなくなってるんだから

巨人アンチ巨人、なんかそういう勢力争いが面白いんだろ視聴率も取れるし過激に振る舞って当たり前なんだよ! みたいなこと言ってたら気がついたらそれ以前の問題として野球人気に陰りが、みたいな。

かつて国を挙げて戦争に全部突っ込んだ日本が、その後長年に渡って酷い厭戦気分に支配されて、また最近揺り戻しが来て、よーしこれからだって思ってたら高齢化日本自体が弱体化してた、みたいな。

まあ過激な言動を繰り広げる人達も、それぞれ理由もあるだろうけどもうちょっと煮詰まらずに視野を広げてくれればなあ・・・って思ったりする。

もちろんテロ頻発みたいな大きな流れがあればまた話は変わるんだけど、それも時とともに元の場所へ帰ってくる・・・というか、世の中の中間層は結局元のフワフワしたどっち付かずの状態に戻ってる。

こういう傾向は日本みたいなある程度の自由保証された国とかで恐らく顕著で、偏りは自動修正される傾向があると思ってる。

買われすぎた株が売られるみたいに。売られすぎた株が買い戻されるように。

それでも世の中は変わっていくけど、そのハンドルを握っているのは・・・天秤のどちらにも冷ややかな視線を送っている最大勢力の中間層なんだよね。

例えばさ、盤石だと思われた自民党リーマンショックから不況中間層からの支持を失って、あっという間に民主党政権誕生したとかその例かなあ?

この時だって当然「民主やめとけあり得ない」的なことを過激発言してた層はいただろうけど、結果をみれば、過激な言動は中間層には影響を与えてないし、意外なほどに強固な地盤も無いってことが分かる。偏りを頑なに持っている人は想像以上に少ないってことなんだよな。つまりフラフラしてる人が本当に多くて、平気で右側に左側にも傾いちゃう

まあ政治ではまた自民党政権に戻った訳だけど、それは過激な言動で自民を支持した人達がいたからではなくて、言うなればそもそも売られすぎた自民株を買い戻す動きが出たってこと。単に力が無かった民主株が買われすぎた、とも言えるけど。

つまるところ自然な成り行きによって選挙の結果が動いただけで、過激意見には実は全く力がなかったと思う。過激さは熱狂的なファンはつくけど極論に耳をかさない人も増え、反対派も増え、短期的、局所的には何かを生み出すかも知れないけど長期的に見ると世の中それを力にはピクリとも動かないという。

戦略的勝利 > 戦術的勝利 みたいなもんだと思う。

じゃあ世の中を動かすための言動って何かって話になるけど、それは恐らく「地味で目立たなくて波風立てにくい意見の積み重ね」なんだろうと思う。派手さとか目立つとか極論とかは逆に邪魔なんだと思う。本人は満足かもだけど。

わあ、いかにも日本的。でもその「いかにも日本的」ってところとても大事で、だからこそ沢山の人にジワジワ染みこむのよ。ダシが大根に染みてくみたいに、弱火で煮込むのが何よりも早いのよ。

強火だと焦げるのは当たり前のことだと思うんだけど、過激な言動で世の中変えたるって思ってる人はガンガン燃やして短時間ゴミ作るのよ。過激な言動が起こした大きな波は揺り戻しで生まれた波と衝突して消えて、残るのは元からあった長く続くようなゆったりした波なのよ。

この増田ではわかり易さから政治で例えたけど、もう実際なんでもそうよ? なんか揉めてるツイートのまとめとか読むとさ、過激なこと言って何か叩いたりしてるツイートとかに何を感じるか、って言えば分かる?

日々に埋没し派手な主張もせず黙々と生きている皆様。世の中を変えてやる!みたいな信念も目的意識もなくても自信を持って今日暮らしを歩いて行って欲しい。今までと同じようにあっちこっちキョロキョロして、おっかなびっくりハンドルを握り続けて欲しい。この世界を変えながら前に進めているのは、間違いなくあなたたちだから




追記:

c_shiika 反論するのがめんどくさいから、とりあえず増田には中公新書の「パレスチナ」をおすすめしておこう。あれは過激な言動が作り上げた地獄だぜ

正直読み手いたことにも、はてブコメントがついたことも驚いてる。

面白そうな本を教えてくれてありがとう。読んでみるよ。でもそれタイトルからして非常に特別場所局所的だし、間違ってもある程度の自由保証されている国だとも思えないなあ。そうだな、先進国、あるいは日本の中だけに限ってくれると言いたいことが伝わるかも。

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