今は可愛い動物が肉食獣に殺されても、事故死をしても別に酷いとは思わない。
でもどうしても自分の中で納得がいかず思い出すとなんて酷いと思うドキュメントがある。
それはいかにもイギリス紳士っぽい狩を趣味にしている貴族風のおじさんの密着取材で、別荘で沢山の猟犬を駆使して狩をしていた。
紳士は年老いた猟犬を始末すると言って、猟犬のうち一匹を奥へとつれていった。
お座りをする猟犬のアップがうつり瞳には主人への愛情と信頼と喜びが浮かんでいた。
ズドンと頭にくらい倒れ伏す猟犬、紳士は「年老いて主人の役に立てないのは犬にとっても辛いことなので処分される方が犬にとっても幸せなのです」と普通に言った。
なんて身勝手で酷い、元気に生きてたのに、主人を信頼していたのに、子供の頃の私はとても腹が立ち犬をかわいそうに思った。
でもあの犬はペットではなく猟犬だ。
乳の出が悪くなった牛や卵を生まない鶏が始末されるのは仕方ないと思う、役に立たない猟犬を始末するのはどう違うのか。