2015-11-11

俺は正気を失ってる

タバコに火をつけた。

俺の親父は堅物の公務員で、「タバコ一本につき10秒の寿命犠牲にしている。」というような嫌煙家だったが、二十歳のときからはじめたタバコはやめられずに居る。

不意に自分の足が震えていることに気がつき驚く。

この震えは11月の寒さからなのか、

それとも、私の変わらない生活一年が経ってしまったことの恐れなのか、それは分からない。


私は生きている。しか幸せかどうかと聞かれれば疑問が残る。

誰かと比べれば、それは幸せ人生なのだろう。

苦労はしたし、成功もしていないが、好きなことをして生きてきた。

両親もまだ元気にしているし、人から言わせれば友達も多い方らしい。

世の中、生きたくても生きれない人も居るし、タバコを吸いたくても吸えない人もいるだろう。

そんな人たちに比べれば、私は五体満足で、些細な話をできる友人が居て、両親も元気で...

人と比べれば幸せなのだろうな、きっとマシな人生と呼べるはずだ。

問題私自身がこの幸せを噛み締めれないことだ。

じゃあ、お前は何が幸せなのかと聞かれてもそれに答えることができない。

何が幸せかも分からず、

目の前の幸せも噛み締めることもできず、

ただ「このままでは」と思い行動するが、結局抜けられない

無い物ねだり。

とよく言った言葉である

そうだ、俺には俺にない物がほしい。

それは俺の物になった瞬間輝きを失う。


色を失うと思っていても求める。

求める事自体が俺の生きる意味なのだ

しかし、求めていても辛いだけだ。

きっと俺は正気を失ってる。

足元を見ればたくさん転がっている物を、空を見て探しているのだ。

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