2015-10-11

NHKSONGSゲスの極み乙女特集をやってるわけだが

結成秘話を語る際に、もともと彼らが所属していたバンドのことがバッサリと捨象されていた。

ボーカル絵音休日課長インディゴラエンド。いこかはマイクロコズム。

ちゃんまりしらねーが、彼らの生い立ちをバッサリきっちゃったんだよ。

これはやっちゃいけねーと思うと同時に、悲しくなった。彼らのこの番組への構成への認識に、悲しくなった。

ゲスの極み乙女というコンセプトはこの21世紀も十数年が経過したこのJPOPの地平に本当に当意即妙に馴染んだ。

馴染んだ。馴染んだんだ。それはいいのだが、それまでには曲折が絶対にあって、それがインディゴラエンドでありマイクロコズムであり、そこで彼らが演出していたキャラクターなりイメージなりだったはずだ。その積み重ねの先にゲスに極み乙女があったはずだ。なのに、それはもう捨て去ってしまって、いまNHKSONGSをやっている。それが悲しい。ことさらに悲しい。

公平を期すために(?)、私の年齢を書いておくと今年30になる。ゲスの極み乙女に注目するにはいささか年を取り過ぎている。でも彼らがそれぞれ元いた環境でやっていたことが、面白い具合にコラボレーションしてキラーボールという曲が生まれて、それを聴いた時、私はそれに感動したのだ。平成の初めくらからバンドを聴いてヒットチャートを追って、インディーズにそれなりにそれなりに目を向けて年を取ってきた私が面白いと思ったのだ。それはとっても嬉しいことだった。

それが今見たら、その歴史性というか時の経過がばっさり捨象されてしまい、そこには「今」しかなくボーカル絵音が何か知らんが若い人に何か言っていた。これほど空虚なことはない。彼らはそうした過去を塗りつぶしてゲスの極み多めというスタイルを表出しているが葛藤は無いのだろうか。いや絶対にあるのだろうが、それを乗り越える選択をしたからこのようにNHKで振る舞っているわけだ。蓋をして頑張って、若い人になんか言ってるわけだ。もちろんこの選択に是非を問いたいわけではない。ただこの様態が悲しい。ただそれだけだ。

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