2015-09-14

久しぶりにボカロ海外記事を読んだので

これ

http://www.huffingtonpost.com/entry/i-love-you-hatsune-miku_55ef16c4e4b002d5c076ca27

とりあえず序盤のあたりだけ訳しておく.

「皆がバーチャルホログラムポップスターを楽しむ時代へ」-26歳だけど日本女の子ホログラムが大好きなんだ.一緒にどう?

もしポップスターに肉体が必要考える人がまだいたら,ショックを受けるかもしれない.

何年か前,ヤマハボーカロイドを開発した.それはコンピュータに合成音声で歌わせるソフトウェアだった.2007年にそのソフトウェアは身体を獲得し,初音ミクと名づけられた.(hot-sue-neigh mi-kooみたいに発音する)青い髪のアニメ少女で,世界中の生身の人間たち相手にツアーをし,不思議ホログラム舞台に立ち,彼女のファンによってボーカロイドソフトウェアで書かれた電子音楽を熱唱する.彼女が世に出てから何年も経つ間,何人もの男女のボーカロイドシンガーが加わった.また彼女はいくつかのゲームの主役だ.これらの出来事は本当に奇妙でかつ,マドンナウェディングドレスVMAステージに立って以来の,ポップシーンにおける重要出来事だろう.

これは21世紀的なアイディアだ.すべてクラウドソースの歌をうたうデジタルポップスターというのは.ミクは舞台の上で足首を捻挫したり声が出なくなったりする心配をする必要もない.まあ魂のない企業産娯楽の現れといえるかもしれない.しかし,彼女はファンが望むからそこにいるのであって,そうなると等式の流れが逆転する.彼らが彼女音楽を与え,同時にコンサートで応援する.

別の言い方をしよう.もし皆が朝起きて急にミクを嫌いになっていたとすると,コンピューターホログラムは使われなくなるだろう.だけど別に悲しくはない.同じことがTaylor Swiftに起こると,彼女は何年もの間つまらないアルバムリリースしたあげく,限界に達してDemi Lovatoの二の舞になるだろう.それはとても悲しい.

歌う日本ホログラム世界中を闊歩してることを信じない人にとっては受け入れづらい話かもしれない.レディガガの前座だってつとめたし(以下メディア展開について略

後半は北米ローカライズ版が発売されたProject Mirai DXの宣伝ローカライズ担当者インタビュー記事になるので割愛.気になった点を以下に示す.

ユーザーによって音楽やさまざまなコンテンツが作られていることが注目に値する

・たくさんある曲を適当に聴いていると,一曲くらい自分好みの曲がみつかる

ユーザーによって作られているという点は,最初期のボカロシーンには当てはまるかもしれない.例えばネギもたせたりデフォルメキャラが作られたりしたのはその頃のユーザーの手によるものだ.しかし一旦製作者と視聴者関係確立してしまうと,両者の間には埋まらない溝ができた.現在の話をすると製作者の層とボカロのメイン視聴者の層はまったく異なると思う.視聴者製作者を応援したり,お金を落としたり,ファンアートを描くくらいはできるかもしれないが,自分製作者と同等の活動をしたりそれを目指したりはしない.ちょっとややこしくなるけど「ボカロソフトユーザーである曲の製作者」と「曲を視聴するユーザー」に完璧に分かれている.確かにユーザーによって作られているコンテンツと言えなくもないけど,それはファンメイドコンテンツとは違うように思う.なぜならファンは視聴者側が圧倒的に多いし,製作者はむしろ自分の曲を聴いてもらうため仕方なくボカロを使うという面があるからだ.ファンが直接コンテンツを作るのではなく,製作者を評価するなど間接的な方法しか関われない.その少々歪な状況が英語圏には伝わってない(別に伝わらなくてもいいと思うが).外国ボカロファンはさすがに異国の奇妙なコンテンツにはまるだけあって熱意はすごく色々なことにトライしてるみたいだけれど,逆に日本にはほとんど伝わってこない.

もう一つの点はひとつ本質に迫っていると思う.ボカロは曲の良し悪しは別としても何万もの歌が動画サイト登録されている.曲風も製作者の好みによって千差万別で,メインストリームで受け入れられないようなニッチな曲風も多い.たくさん聞けば自分にぴったりの曲を見つけることができるだろう.これはAKBラブライブ女の子を増やしまくって誰か一人くらいは推しが見つかるだろうという戦略と図らずも同じだ.とはいえ手がかりがないと膨大な時間必要なので,口コミとかセガゲームのようなとっかかりが鍵になる.まあ今はネット上のボカロの知名度は高いので,ネット積極的にやってる人なら一曲二曲は知ってたり,もしくは好きだったりするんじゃないかと思う.敷居の低さとコンテンツの多さは強みとなる.

Alan Douglasさんコメントを以下に訳す

確かにGorillazは君がリンクした動画でまったく同じことをした.2006年グラミー賞でも同じことをしようとしたけど,問題があってテレビ用にごまかすことになった.費用がかかりすぎるので同じ形式コンサートはもうやってない.Musion社から借りている技術も向上してない.

ミクに使われてる技術全然違うもので,開発元の内製だ(訂正-もともと違う会社共同開発したようだけど,今はクリプトンが全責任を負っている).その方法もっとシンプルだしパテントに縛られることもない.一方でミクの3Dアニメーションソフトウェア無料でファンメイドのものだ.おかげで非公式のファンメイドコンサート世界中で定期的に行われている.とってもクールだと思う.訳ここまで.

コンサートはやはりお金かかるんだろう.ほうぼうに散らばった曲の版権者,3DCGクリエーション自分達が主演できるわけでもないバンドの何曲にもわたる練習.オペラとかはもっと収支がひどいみたいだけど,彼らは自分が好きだから赤字でも上演するそうだね.

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