むかしむかしの話。今から5~6年前といったところだろうか。Twitterではタイムライン上に「リナカフェなう」「ドロリッチなう」などのつぶやきが飛び交い、「Twitterは日本でキャズムを越えるか否か?」について活発な議論が行われていた。
当時Twitterアカウントを持っていることで知られた芸能人・有名人といえば広瀬香美さん・勝間和代さん程度で、企業がTwitterアカウントを運用していること自体が大変めずらしい時代だった。そんな中、公式にあるまじきゆるさで一般ユーザーと交流をはかることで注目された公式アカウントが存在していた。NHK_PR、ゼビオ、サブウェイ、東急ハンズ、すき家などである。彼らはのちに「軟式アカウント」と呼ばれた。
月日は流れ、企業や芸能人、政治家、各種団体がコミュニケーションチャネルの一つとしてTwitterアカウントを持つことが当たり前になった現在。ニュース番組や生放送のバラエティ番組では、Twitterつぶやいた内容がほぼリアルタイムで背景に流れるようになるなど、Twitter の世間への浸透度や、各種公式アカウントをめぐる環境は大きく変わっていた。災害時には Twitter が情報ソースとして大きな役割を果たすなど、もはや立派なインフラと言える。
そんな流れの中で、軟式アカウントのような立ち振る舞いが一般化し、かつての「軟式アカウント」という用語はほぼ死語と化していた。
いわゆる軟式アカウントにあたる有名アカウント群はがらっと代わり、かつての勢いそのままに今でもユーザーとの交流を図るアカウントもいれば、時代の流れと共にフェードアウトしたり、また新たに人気を持つようになったアカウントもいる。
かつてとは違い、有名どころを挙げるだけでも数が多すぎてきりがないが、私の観測範囲内で敢えて挙げるとすればニッセン、シャープ、キングジム、タニタ、セガ、井村屋あたりが比較的知名度が高いと言えるだろうか。
現在のいわゆる軟式アカウントに特筆すべき事項は、アカウント同士の絡みを発端とした、ビジネス上のコラボが見られることになったことだろう。有名どころを挙げれば
などが挙げられる。これを純粋に楽しむ者もいれば、「馴れ合い」とみなして良く思わない者も居るかもしれない。個人的にはこの手の問題に正解はないだろうし、万人が満足するようなやり方というのは存在しないだろうと思う。
Twitter の運営によれば、日本での Twitter のアクティブユーザーは世界でも有数の多さであり、使われ方も独特であるとのこと。この記事を投下する数日前には、世界に先駆けて日本に開発拠点を置くことが発表されたばかりである。このニュースを 7 年前のユーザーたちに見せたらどんな反応をしただろう。
過去から現在にかけての Twitter の空気の移り変わりを体感してきた私としては、今後 Twitter がどのような変化を遂げるのか、興味深く見守っていきたい。
参考文献まで書いてる割に「5-6年前」とか誤認甚だしいだろ。