2015-09-06

子供を引き取った

妻が二人目の子供を出産するために実家へ里帰りしていた。

一人目の子供(長男)も連れて一緒に帰っていたので、俺は平日一人暮らし

義実家は車で1時間半くらいの距離なので、週末は義実家へ通っていた。

俺は久しぶりの独身生活を満喫していた。

家に子供がいると、なかなか飲みに行ける機会もないため、ここぞとばかり色んな人を誘っては飲み歩いていた。

しかし、週末を義実家で過ごしているとき漠然とした不安が湧いてきた。

妻が入院している期間、義両親と長男の3人で暮らすことになるけれど、果たして大丈夫なのだろうかと。

義両親は初孫である長男に首ったけで、可愛がりはするものの、甘やかすばかりで、全く言うことを聞かせられない。

風呂に入れることも、歯磨きをさせることもできないのだ。

そんな中、先日、二人目の子供が生まれた。

俺はまとまった休み(といっても3日)をとり、義実家で暮らすことにした。

長男母親がいない寂しさをもてあまし、俺にべったり甘えてくる。俺が横にいないと、夜、寝付くこともできない。

さらに、以前から薄々感づいていたことだが、義実家料理レパートリーが少ないという問題もあった。

なにせ、家に醤油味醂がないのだ。

そのため、長男は、毎日同じもの(好物の卵焼きウインナー)を食べていたようで、俺が一緒に暮らす頃には、好物ですら食べ飽きたのか、デザートしか食べないという状態にまで陥っていた。

自身も、3日しか過ごしていないにもかかわらず、代わり映えしない毎日食生活に飽きてきていた。

さすがに、これはマズイと俺は思った。

当初の目論見では、あと1ヶ月は華の独身生活を満喫する予定だったが、このまま長男義実家に預けるとロクなことにならないのは火を見るより明らかだった。

それに、妻が退院して義実家に戻ってきたとしても、結局、妻が二人の子供の面倒を見る羽目になることも容易に想像がついた。

もはや、選択の余地はなかった。

俺は妻とも相談し、長男を自宅へ引き取る旨を義両親に申し出た。

義両親は驚いていたが、反対はされなかった。きっと、義両親も不安でいっぱいだったのだろう。

里帰りのため一時休園していた保育園に、明日から再登園する旨を連絡し、帰宅した。

飲み会約束をしていた先輩や同僚たちには事情を説明し、すべてキャンセルしてもらった。

その日の夜、麺類が好きな長男に海老とキノコ豆乳味噌クリームパスタを作って、一緒に食べた。

長男は、「お父さんのごはん、おいしい」と言って笑った。

あれから1週間。

長男は家にお母さんがいない寂しさを抱えながら、それを声に出すことなく、健気に保育園へ通っている。

それにしても。

世のシングルマザーシングルファーザーがどれほど大変な生活を送っているかが、肌身に染みた。

炊事、洗濯掃除、そして保育園の用意、送迎。

そんな中で遊んでくれとせがむ長男の相手をしなければならない。

毎日、目の回るような忙しさだ。

睡眠時間がなかなか確保できない。

会社へ着くと本当にホッとする。

はいえ、少しずつつではあるが二人暮らし生活リズムが掴めてきたような感覚もある。

今までお母さんにべったりだった長男との距離も随分縮まったように思えるし、あと数週間、頑張ろう。

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