普通はこうでしょ、と言われてもわからなかったし、そもそもなんで皆の輪にすんなり入れてもらえないのかが不思議だった。どうも普通ではなかったらしい。転校した事も言葉が違うことも習慣が違う事も色が違う事も形が違う事も。やり方が違う事も全部、気が付いていなかった。話しかけると、えっ、という顔をされて、距離を取られる。どうして普通に友達になってくれないのかわからなくて泣きながら考えた。
醜いアヒルの子は最後、白鳥になって飛んでいってハッピーエンド、みたいなのが納得いかない。醜いアヒルの子は、アヒルの子と遊びたかっただけ。アヒルの子の中に混ざりたかったのであって、別に白鳥になりたかった訳ではないんじゃないのか。白鳥になってようやく仲間が見つかったなら、自分が居場所間違えてたんだろバーカって話なのか。そうか。