2015-08-28

水龍の儀

息を飲み込み、ぼくは意を決してドアを開ける。

ズボンを下ろすと、クリーム色のカバーのついた座席に座り、

快適な旅路を祈る。

真紅に染められた日もあった。

槍で貫かれる困難な旅路もあった。

だがぼくはここまで来たのだ。

世界が終わり、ぼくはさらに四日待った。

訪れた日は雨であった。

だがぼくはそれを吉兆ととった。

そして運命勝負がはじまる。

ぼくは腹部をさすりながら、「ふん」と鼻を鳴らす。

運命脱出口はふるふる震えだし、

ぼくは差し迫った、噴火寸前の火山のようなうめきを感じる。

第一波は千年のときを超えたある噴出とともにはじまった。

それはたんに「ぶっ」という間欠泉のごとき空気の噴射にとどまらず、ある粘着質の脱落をも伴っていた。

ぼくはそれを感じて、よしとした。

つづいて本命の第二波が来る。

「ぶりぶり」という力強い轟音とともに、10cmを超えるバナナのものがひねり出される。

ぼくはそれを感じて震える。

やまない雨はないのだ。

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