僕が車の免許をとったのは25歳の時だった、片田舎に住む人間としてはすこし遅いほうだ
嫌車家というわけでもないが車にたいして魅力を感じたこともなければ生活にもまぁすこし不便ではあるが必要というわけでもなかったので20万も払って免許を取ることはしなかった
ただ自然にそう思っていただけのある日
24歳のころ、父に「車を運転できないやつは人間じゃない」と言われた
土木関係の会社の役員である父は職業柄、車の便利さを常々しゃべってはいたがまぁ父は父であって僕は僕の生活があると考え必要だと感じたら免許を取りにいこうと別段なんとも思いもしなかったが人間じゃないと言われたのはすこしショックだった
僕は英語が喋れるのだが僕から言わせれば英語をしゃべることのほうが車を動かすことができるよりもはるかに人生を豊かにしてくれるものだ、そういう立場でもし父に言い返すのならば「車を運転できないより英語をしゃべれないほうがよっぽど人間じゃない」
そういうことになっちまうのだが実際にはそんなこと僕は一度も考えたことがない
人類を最も不幸にしたのは何か?核爆弾か?資本主義か?ポップミュージックか?宗教か?麻薬か?酒か?
車を運転できない人間は人間じゃない、キーボードを叩けない人間は人間じゃない、童貞は人間じゃない、ニートは人間じゃない、ブスは人間じゃない
全て進化論による漸進を強制された時代やクラスタに染まりきった人達の戯言だ
なんでもすべてできる人間など存在しないのだからある人間を不特定多数の進化論で語りだすと全員が人間じゃないってことになっちまうじゃねーか
人減を不幸にしたのは、過剰消費志向と言いかえたほうがピッタリ来た。