2015-08-17

anond:20150811030428

業種は異なりますが、同じ後継ぎとして。

■親との関係について

家業に入れば、ご両親は親であると同時に上司でありビジネスパートナー

自分の親というのは何かと煙たいものですが、上司になるとそれ以上に厄介なものです。

話し方が気に食わない、仕入れる商品が気に食わない、会社方向性が気に食わない。

喧嘩の種は無数にあります経営会議はすぐにエスカレートして口喧嘩に。

家族からこそ相手が傷つく部分もわかりますから、お互い嫌なことばかりでしょう。

とくに、経験豊富な両親からすれば、0から家業を学ぶあなたは頼りないもの

「何もできないくせに口ばっかり達者だな」と罵倒するかもしれません。事実でも悔しいものです。

一方、あなたもご両親に対してたびたび反発するでしょう。

どうしても60代、70代になってくると、人は怒りっぽく、忘れっぽくなります

新しい出来事への対処も難しくなるでしょう。そんな両親は歯がゆいものです。

これが会社上司であれば、「あのクソ上司」と陰口を叩けるのですが、実の両親ではそうもいきません。

「偉そうに振る舞うくせに、視野は狭いし発言コロコロ変わる。あんなんじゃダメだ」と思いつつも

「老けちゃったんだな……」という寂しさも感じます

経営的には悪手、社員にも示しがつかない。れど、親が喜ぶなら仕方がないか……」そんな時もあるでしょう。

この葛藤あなたが押さえ込み、ご両親の指示・命令に従えるかどうか。これが一つ目のポイントです。

救いは、別居だということ。

家業を継ぐと、街を歩いているだけでも従業員やお得意様とばったり出くわします。気が抜けません。

唯一リラックスできるのは自宅の中だけですが、上司社長である両親と同居では、それも無理。

遅かれ早かれパンクするでしょうが、別居で一人の時間を持てるのであれば、多少は救いになります




新規事業について

そして「新規事業でも始めたほうが〜」と書かれていますが、3年間は苦しむと思っていて下さい。

どれだけ小規模でも、新しいことを始めるなら、おおよそ1回あたり10万円+30時間ほどは必要になります

そして、初めの9回はまったく反響なし、10回目にしてようやく金銭的にはトントン

儲かりもしないが損もしない、そんなレベル事業が立ち上がるかもしれませんし、コケるかもしれません。

仕事を学びながら、これだけの挑戦を繰り返すには2〜3年かかりますし、

ご両親も(初めは応援してくれるかもしれませんが)冷たい目で見るようになるでしょう。

とあるごとに、「資金繰りも厳しいのに、無駄遣いしやがって」扱いをされ。

あなた一生懸命仕事開拓したとしても

「うちの息子が勝手なことをしまして……この話はなかったことに」とハシゴを外されることもあるでしょう。

あなた会社の将来を危惧して、真剣に取り組めば取り組むほど、

自分無能さを責め、ストレスに苦しむでしょう。

このあたりに耐えられるかが、2つ目のポイントです。




■継ぐべきかどうか

以上を踏まえたうえで、それでも家業に入ることをお勧めします。

まず、現在無職面接も苦戦されていうことで、行き詰まりを感じていらっしゃるかもしれません。

であれば、後継者として家業に入り、環境を変えてもいいのではないでしょうか。

ただし、おそらく会社を継ぐことはできません。

やはり、経験不足がネックです。

ほかの方も書かれているように、せめて3年は修行たかったところですが、今からでは難しいでしょう。

(ご両親もそろそろ事業の売却や廃業を考えだすお年です。廃業手続きにも時間がかかりますので、

 3年後修行から戻ってきたあなたを待つの廃業準備中家業かもしれません)

ですから、「あなた家業に入ったとたんに業績が右肩上がりに……」なんてことは、まずありません。

10年頑張るもパッとした成果は出せず、ご両親の体力の衰えとともに廃業

一人残された39歳元後継ぎは、新たな人生を歩み出す」あたりが現実的な線でしょう。

ですが、それはそれでアリなのではないでしょうか。

家業をどう立て直すかを考えるのではなく、家業を使ってあなたレベルアップさせる。

10年後には独立するなり、就職するなり、いろんな選択ができるだけの力を身につける。

そう割り切れば、十分な可能性があります

まずメリットとして、後継ぎという肩書を得られます

この後継ぎという肩書があれば、いろんなことにチャレンジでき、経験と繋がりを得やすくなります

たとえば手始めに、地域産業センターで行われている中小企業向けの

商品開発セミナーなどに後継ぎとして参加してみてはいかがでしょうか。

セミナー自体が役に立たなくても、あなたの足りない部分や、

会社の意外な可能性を教えてくれるような、いろんな人との縁ができるでしょう。

(ただし、つながる相手は選ぶべきです)

そこでアドバイスを貰いながら目新しい新商品を作り(10個程度で十分です)、

お得意先を回るときなどに「こんなのを考えてるんですよ〜」などと名刺代わりにアピールすれば、

「このボンボンはやる気あるな」という印象を与えられ、新しい話も舞い込むかもしれません。

その縁を大切にして、少しずつ信用を積み重ねていきましょう。

そんなこんなで10年も一生懸命続けていれば、いざ家業がなくなっても、

拾ってくれるところの一つ二つはできますし、転職時のアピールにも事欠きません。

また、もしかすると、あなたが突然仕事に目覚めるかもしれません。

よその会社に勤務している時には「他人のために働いてられんわ〜」とサボってばかりだったのに、

家業に入った途端猛烈に働き出した後継ぎを、私も知っています

しかすると、あなたも「自分事であれば頑張れる」タイプかもしれませんし、そうではないかもしれません。

ということで、将来の食い扶持を確保するために、家業に入ることをお勧めします。

もちろん、会社をしっかりと受け継ぎ、それを伸ばしていく。それが理想ですし、

あなた一人の将来のために、家業犠牲にする。そんな考えには私自身も抵抗を感じます

しかしまあ、大事なのは家業の所有者であるご両親の気持ちです。

たとえ家業を守れなかったとしても、結果的あなた幸せなら、

ご両親も喜んでくれるのではないでしょうか。たぶん。

いい感じになるといいですね。

記事への反応 -
  • 当方、29歳独身、無職、地元暮らし親とは別居。実家の家業は酒の卸売業。親の年齢はもうすぐ年金をもらい始めるくらい。 これからの人生を考えて実家の家業を継ぐことを考えるべき...

    • 業種は異なりますが、同じ後継ぎとして。 ■親との関係について 家業に入れば、ご両親は親であると同時に上司でありビジネスパートナー。 自分の親というのは何かと煙たいもので...

    • おまえがすべきは地元で酒屋が今後も経営を続けられそうか調べることだよね それすらできないならほぼ間違いなく継いでも潰れるだけかと

    • 酒屋の跡継ぎを受け入れてくれる酒の小売店を親のコネで探してもらって、そこで3年修行してから実家へ戻るといいよ。 酒屋にこだわりがなければ、コンビニで雇われ店長を3年やって...

    • なんで引き継げる事が前提になってるの? クズなのになんで無職でひとり暮らし?どこからお金が出てるの? なんで生きてるの?

    • どうやら食っていけるだけの金は稼げそう、で十分じゃん。

    • 大変失礼なモノいいになるけど【継ぐ】というような規模じゃない。 借金もあるようだし意味ないんじゃない。

    • 就職できないから諦めて家業の自営業という考えは間違ってる、自営業のがよっぽど大変、というのは多くのブコメ・トラバの通り けど、増田が自営業のご両親のもとに育ったことは事...

    • 借金有りの個人営業店をを継ぐ時には、債務を確定させましょうね。軽く1000万程度の借金が有るなんて普通ですから。 両親が15万ずつ稼いでいるとの事ですが、それは手取りなのか利...

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