2015-08-06

[] 逆ソーカル事件

1996年物理学者アラン・ソーカル人文科学誌 Social Textデタラメ論文投稿

掲載された後でジョーク論文だった事を明かし、物理専門用語言葉遊びをしていた一部の「ポストモダニズム研究者皮肉った。

実はこの事件にはちょっとした後日談がある。

ソーカル事件から6年後、Annals of Physics と Classical and Quantum Gravity に掲載されていたある物理論文話題になる。

それらは「位相的場理論」、「宇宙論」、「量子重力理論」などの複数分野にまたがる難解な論文で、

正しい専門用語を正しい文脈で用いていたが、論文全体では何も言っていないという代物であった。

悪質ないたずらが疑われ、ソーカル事件の逆襲ではないかと話題を集めたが真相は意外な方向へ。

論文投稿したのはボグダノフ兄弟

兄弟ブルゴーニュ大学で学び、グリシュカは数学イゴール理論物理学博士号を得ている。

二人はいたずらである事を否定し、論文正当性を訴えた。

ボグダノフ兄弟サイエンス番組の人気司会者であったことからメディアをも巻き込んで騒ぎは大きくなっていった。

2人はネット上の議論に偽名で参加し、多重アカウントによる自作自演を繰り返した。

偽名には実在物理学者数学者名前勝手に使い、また、時には非実在物理学者を名乗った。

兄弟真意が何であったにしろ、全うな議論を捨てネット印象操作を始めた時点で もはやまともな研究者とは呼べないであろう。

結果的ソーカル事件とは関係なかったものの、論文査読精度や博士号授与の基準見直し議論きっかけとなった事件である

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