2015-04-19

あるエンジニア挫折と変節

メーカー勤務のエンジニアがいかにキャリアチェンジに失敗し、価値観の転換を迫られ変化しつつあるかについて記す。

話は2009年頃にさかのぼる。リーマンショックと円高、さらには震災により日本の電機業界は縮小を余儀なくされ、度重なる大手企業リストラ報道に触れることで自らのサラリーマンエンジニアとしてのキャリア継続不安を覚えるようになった。

それ以前から自らのスキルの中核が会社本業とは少しずれたソフトウェアWebよりのところにあることを自覚しており、その分野での知識、経験を伸ばすことでエンジニアとしての成長、生き残りの手段と出来るのではないかと考えるようになった。

もともとネット依存な傾向と学術的な活動への未練があってはてな界隈でのの情報収集を行っていたのだが、その中で見いだしたのが機械学習関連の勉強会であった。Web業界を中心とした技術勉強会は2008~2009年からツイッターなどのSNSを通じて盛んになって来たように思われる。機械学習関連の勉強会参加者はその中でも博士課程進学者社会人博士が一般の技術職に比べてずっと多く、知的エリート雰囲気を感じるものであった。

自分勉強会に参加するようになってから少したった2010~2012年頃になると周辺のコミュニティーはどんどんと活気を増していった。

ソーシャルゲーム業界の爆発的な成長、そこではWeb関連の技術とは異なる学術的色彩の濃いバックグラウンドを持った人間を求めていること、待遇も(安定性を差し引けば)伝統的な大企業に劣らないどころか収入技術追求の環境としては遥かに凌駕するものであるとこと、自分と同様電機業出身人間も多く転身していることなどその魅力ばかりが目につくようになった。そして勉強会新興企業が優秀な人材を獲得する場であることにもすぐに気づいた。

そんな空気勝手に感じ取って勉強会ブログSNSでそこそこ積極的情報発信を行うようになっていった。

技術情報を発信する活動承認欲求自己顕示欲を十分に満たすものであり、まさにソーシャルゲームゲーマーにもたらすもの開発者サイドとして並行に体験しているような感じすらもった。しかしその魔力に取り付かれることで成熟した会社業界内のサイロ化した技術習得、それを用いた地道な作業の繰り返しにモチベーションを感じることが出来なくなり、次第にプロジェクト主体的役割を果たすことを避けていくようになった。

昼間の仕事に熱意を持って取り組めなくなったことから不眠そして鬱に悩まされ、仕事と勉学に割く時間の質と量は減っていった。

数年の年月が経過することで勉強会周囲の人間が少数は華麗に、多数はぼちぼち、あるいは人知れず職を変えていった。公の場での発表を続けるもの所属企業を巻き込んでそれを拡大するもの、全く姿を消してしまものなどその動向は様々であった。

周囲を見ると転職成功者SNSを使いこなしてオピニオンリーダーとなるような行動力コミュニケーション能力が頭ひとつ高いようにも見えた。そもそも勉強会に出て発表してある程度の知名度を得るという時点で最低限の技術力、現状の組織には依存しないという意思スクリーニングされていたと言えるのかもしれない。

そんな周りの人間の状況や数年にわたる知識の蓄積、景気の改善人工知能機械学習統計などの分野へ全ての産業が注目しているような状況を追い風と感じて2014年後半から2015年に掛けて本業リンクした業界活動をしてみた。

しかしながら会社において明確な業績がある訳でもなく、また活用できるような知名度や人脈があった訳もなかったからなのかあえなくお祈り攻勢にあうようになった。

もっとも同世代のより経営状況の悪い会社に勤めていた友人と比べると質、量(応募数)ともに圧倒的に少なく客観的に見ても転職の本気度が疑われるような有様で、その姿勢採用担当者に見透かされていたのかもしれない。

転職活動の失敗と並行して仕事勉強会関連の活動という二足のわらじに近い活動は肉体、精神健康を蝕んでいった。

精神的な転機は職場の同期や友人の結婚出産、親世代訃報であった。アラサーライフイベントを避け続けて仕事と勉学に取り組み続けることが精神的に不可能になり、元々あった不眠、鬱傾向に拍車がかかり、休職一歩手前の段階にまで悪化していってしまった。そもそもの自分活動の契機であった電機業界のリストラに伴う人材流動化がもたらした環境の変化が社内に及びそれもまたストレスの原因となった。

恋愛関係サークル活動などの濃密な人間関係経験ストレス解消法が乏しかったこと(いわゆる非リア)が精神健康の維持を妨げていたようにも思えるが、そうでもない人もいるので一概には言えない。元々の体質も影響しているかもしれない。強いて言えばストレス耐性の不足によるものだろうか。

体調の悪化や周囲の同年代ライフスタイルの変化が勉強会を中心とした活動への力を失わせ、また社内における信頼も完全に失われてしまった。

仕事での信頼、そして同期との業界知識経験格差を取り戻すのはほぼ不可能に近く、次の景気後退経営悪化ではリストラ対象になることはほぼ間違いない。だが生活の維持のためには地道な作業の繰り返し=労働必須であること、自分はすでに新技術習得ボーナスがもらえるような年ではない普通以下のおっさんになってしまったこと自覚できたことがわずかな収穫かもしれない。

  • ソフトウェアエンジニアなら、職にあぶれることはない。派遣はいつも人手不足だ。 まあメーカプロパーより給料は落ちるだろうが、それでも、派遣ならではのストレスフリーな働き方...

  • http://anond.hatelabo.jp/20150419005659 を読んで。 地方の専門学校を卒業後、首都圏の大手SIerの子会社に就職した。まあ大手というだけあって学歴差別がものすごく、 自分のような専門学校卒...

    • こっちはメンタルに問題を抱える学生が多くて学校によっては大変な事になってきてるよ… 問題のある学生にリソースをつぎ込むリソースなんて無いしいっそのことそういう学生を入学...

      • ウチの学校の場合、奨学金を貸与されている学生が約半数。 障害と診断されているケースだと企業の障害採用枠に突っ込むとか、訓練に出すという手もある。 親が現実逃避で病院に言っ...

        • 明らかに発達障害を抱えてるのに 親がそれを認めようとしない、というか親も発達障害じゃ…って例も少なくないんだよなあ 正直学生時代にその辺わかっておいた方が社会に出てから壁...

          • 「鬱は甘え」とか言ってた世代だからね。メンタルに理解がある親は少ないよ。 過干渉の親は子供が頼りないな。頼りないっつーか、自分で決断しない傾向にある。 頼りないから過干渉...

            • 過干渉じゃなく、干渉はないほうだけど自分の足で立てない人たちだから ある程度は確実な当たり引かないと引きずられて共倒れになるので慎重なだけだけどな うちの場合は

  • アラサーのライフイベントを避け続けて仕事と勉学に取り組み続けることが精神的に不可能になり ここがわからん。別に既に結婚してて嫁に子供作るよう迫られてるとかでもないんだ...

    • 大手だと昇進条件に(明示されてはいないものの)既婚だったりする必要がある。 というか狭いムラ社会なので、○○歳には結婚してないとねーとプレッシャーすごいっすよ

      • http://anond.hatelabo.jp/20150420000643 http://anond.hatelabo.jp/20150420000911 まぁ確かに、その辺の空気をスルーする精神力はある程度必要かもしれない。 特に最近は少子化対策の名の下に子持ちが貴族...

    • 横だけど、友人の結婚式に出るだけでも、しんどい人には大変なことなんだよん。

      • さらに横だけど、確かに精神的にひどかったときに 仲いい友人の結婚式に呼ばれて、出るのに精一杯だった。   当日に何とか出られる(精神状態になれる)ように、精神科に行って薬...

  • ある程度わかるわ。といっても自分は運良くキャリアチェンジできた側だけど。とはいえ大きな差があったとは思えない。 >お祈り攻勢 どうも現職が嫌だからやめる的な理由って見透...

  • 副タイトル:平凡なエンジニアは、きらびやかなネットの情報に踊らされないように気を付けるべきかも

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