彼女が買い忘れがあるといってスーパーに行く間、彼女の犬と留守番した。
彼女が出てった瞬間、見送りしてた犬たちがドアに追いすがってキューキュー鳴いた。この時点で俺空気。リビングに戻ると、一匹が勢いよくトイレにいき、おしっこをする。ドヤ顔で走り寄ってきたのでとりあえず「トイレ上手だね」と褒めたら『なんだこいつ』的な顔をしたあと玄関に行き、ドアの前で伏せる。その後戻らず。
もう一匹は人懐こいので、座った俺の横に来る。俺に尻だけくっつけて、玄関方面を見ている。しばらくすると餌入れのところに行き、こっちを見ながら餌入れをベロベロなめる。目が合ったら吠えられた。「君らのお母さんが、何もあげちゃダメって言うから」と言ったら走り寄ってきてまた吠えられた。『聞こえねえのかよ使えねえな』とでも言ってたと思う。何度か吠えられたので「座れ」と言ったら鳴き止んで座った。賢い。
その後、ヒザにあごを乗せて上目遣いしてきたのでなでてみる。なではじめたら上目遣いをやめて玄関を見ている。なでるのをやめると即上目遣いで見てくる。なでると玄関を見る。
突然背後のソファに乗り、俺の肩に前足をかけてくる。「どうした?」と足を触ったら頭に足を置かれ、頭の匂いをかぎまくられる。ひとしきりかいだら飽きたらしく、足の間に移動してきて足の匂いをかがれる。
だっこしてみたら、前足で「やめてー!」って押し返される。でもしっぽは振っている。しばらくしたらだっこさせてくれたので、黙ってTVを見る。
しばらくしたら突然俺を蹴りつけて玄関に走り寄る。玄関で伏せていたもう一匹も背伸びしてドアノブをガリガリしだす。1分くらいしたら彼女が帰宅したので、足音で帰りに気づいたらしい。
彼女は「おまえらお疲れさま!お兄さんと仲良くできた?どうだった?この上手なちっこは誰の?」とか言ってた。トイレに行った方がぴょんぴょん飛んで彼女にオレオレ!ってアピっている。
夕食のとき、だっこさせてくれた方が俺の足に前足をかけて可愛い顔をしてきた。彼女は「なんか頂戴って言ってるけどあげなくて良いよ。ちょっとは仲良くなれたみたいだね」って言っていた。動物は好きじゃないけど、犬は可愛いかもしれない。
そう、犬はいいよね