なんだか刺激に欠ける毎日だった。冬になって、そろそろサークルでイチジョ扱いされるのにも飽きたし、恋人もいないし。
ちょうど失恋を経験したばかりだった。今でも彼の事が好きだ。しかし、それは愛情というより慣習とか執着に似ている気がする。好きって何だ?感情ってなんだ??という気分が煮詰まったところで、私は出会い系サイトをはじめた。
■きっかけ
メンヘラの先輩が、彼氏もしくは元彼との関係が悪化する度に、ナンパされた男とセックスしていた。或は、出会い系サイトで出会った男と頻繁に連絡を取って、気持ちを紛らわせていた。恋愛以外の部分で、私と彼女は馬が合った。そんな先輩の真似をしたかっただけ、と言ってしまえばだけなんだろう。
■登録してみた
さて、身バレを恐れた私は元の顔とは随分雰囲気の違うプリクラを選んでサムネイルとした。スペック…?と思いながら選択肢を選ぶ。かわいい系、身長156~160cm,体重××グラム、バストサイズ…少し悩んだが、Fカップと選択する。プロフィールは男性の物を参考に、趣味とか、好きな音楽を手短に書いた。
ちなみに、私の登録したサイトは20~30代の男の人が多いように感じた。この人イケメンなのに…!?と思う相手が多くて眼福だった。そこそこ頻繁にアクセスしていたが、表立って活動はしなかったので、一日4~6くらいの男性から連絡をうけた。
「××ちゃん、仕事紹介するよ」
これが彼の第一声だった。別に興味ないんだけどな。これが世に言うスカウトってやつか。ナンパ師だったルソーさんがスカウトのバイトを始め、よくTweetしていたので見当がついた。(愛情とか承認欲求の話をこじらせた私は、最後にナンパ師のブログに出会って散々読み漁っていた。)女の子をカモに稼ぐつもりだな。
今までの人生でも、私は2回ほどスカウトと直に接触したことがある。双方人当たりのよい、信頼できそうな男性だった。値踏みしているという印象を女の子に与えずに、しかし値踏みするのが上手い。
「スカウトさんですか?22時で上がれるキャバでなら働きます」
土台無茶な条件だ。
「あるよ!」「見た事ないですけどw」「店との交渉次第だから!LINEおしえて」
ないだろwwと思いつつ一抹の期待にかけて、指定されたテンプレ(身長体重とか写メとか)を埋めてLINEを送る。
リフレあたり紹介してくれるなら働いてもいいな、と思っていた。
キャバ担当の男性Xから、LINEがきた。今ちょっと話せる?とのことで、忙しいから5分ね、と断って電話をかけた。
「あ〜もしもし?……君こえ可愛いね、俺アニメ声の女の子好き」
「まぁとにかく〜」
少しだけ早口に、例の鼻にかかった声でXは仕切り直す。
「キャバクラは、俺の担当だから詳しくて、この業界で一番大きな組織に紹介出来るんだ。」
「でも、君の条件だとやっぱり一番いいのはデリだと思う」
デリヘルやソープの方が、スカウト側にわたる金銭の還元率が高い、と聞きかじっていたので、こう言われた時私は納得した。やっぱりね、そもそもキャバクラ紹介する気ないよね。
「なぜなら、デリで働いてる大学生ってほんとに多いし、絶対身バレしないんだ」
「なぜなら、今年末だから本当に稼げるんだよ。キャバはこの時期お客さんが少ない。あとデリの方が楽」
ちょっと試す意味と、自分が詳しくないので知りたいという理由で、リフレとか紹介してもらえませんか?と口を挟んでみる。
「あ〜、リフレね。これは絶対よくない。俺リフレの店出そうと思ってたからすごく勉強したんだよ。でもダメだ。なぜならね、」
ナゼナラというのが、彼の口癖らしかった。
・客が少ない、下火。
と、このくらい聞いた所で、ちょうど5分たったから電話を切った。
■タイプA:まとめ
スカウトってルソーさんが言うように、ほんとう、根拠のないことを力強く言うという才能がある。政治家になれる。
それから、マシンガントーク。ある人のTwitterによく出てくる「頑張ります」は耳にする事が出来なかった。
ちなみに、風俗スカウトマンからの連絡は一週間で4件ほどあった。こいつら、暇なのか。或は、ネットでの呼びかけに本当に応じる女の子が、十人にひとりくらいは居るのだろうか。
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