高校生の頃。同じ部活の同級生が自殺した。
私が通っていた高校は小規模で、1学年3クラス。
30人程度の人数しかいない。だから同級生のほとんどが顔見知りだ。
そして、自殺した彼は、引きこもりがちで、あまり学校にこない人だった。
友達も少なく、いつも一人で過ごしているように見えた。
その日は緊急に朝礼が開かれ、
校長先生が「明日世界は滅亡します」というように、
厳格な顔で彼の死を告げた。
私は「彼は生きることをやめたのか」と思っただけで、
強いて悲しいとも辛いとも思わなかった。
しかし周りの人達は、涙ぐんでいた。
普段彼を無視していた。
気にかけてもいなさそうな人達が、彼の死を悔やんでいた。
いったいどうして泣いているんだろう。悲しんでいるんだろう。
ああ、それとも泣けない私が異常なのか。
いまだにわからない。
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