2014-10-09

牛肉消費の伸び悩みは、「贅沢アイコン」としての消費がなくなったか

農水省の友人が語るところでは、国内の肉類消費量は、「鶏肉」や「豚肉」は比較的安定してるのに対し、

 「牛肉」は狂牛病後遺症から回復できずに低迷してるらしい.

★私見だが、20年程前は、「贅沢飲食のアイコン」としての牛肉消費があったと思う。

 「今日は俺が牛肉おごってやる」と言えば尊敬されてた時代

 逆に言えば、「あいつに何かおごってやらなきゃ」と言うシーンにおいて、「7割の確率で喜んでもらえそう」だから

 人々は「儀礼意味合い」も込めて、鶏肉でも豚肉でも魚でもなく、牛肉を消費してたんだと思う。

 首都圏で贈答品に三越が、大阪阪急百が選ばれるのと同じ理屈で、牛肉がご馳走飲食に選ばれた

★その牛肉の消費が低迷したのは、直接的には狂牛病だが、

 その結果として「ご馳走飲食プレミアム」のかさ上げ部分が剥げ落ちたのが真因じゃないか?

 「冷静に考えたら、おごってやるのに、牛肉じゃなくても、いいよね。魚でも豚肉でもいいよね」

 と人々が「目を覚ました」?

★あと、変な話だが、「牛丼デフレ競争」と「100円マック」が「牛肉」の「贅沢アイコン」を徹底的に毀損した影響も大きいと思う。

 今の若い人(20代)だと、既に中学生の頃から牛肉は「安物」だった訳だ。

★そういえば、20年前は焼き肉チェーンとかステーキチェーンが人気だったが、

 今は「世界の山ちゃん」とか「鳥貴族」のような焼き鳥チェーンの方が、元気がいいなあ

戦前と今で、食品価格序列を比べたら面白いかも。

 ブロイラーという「鶏肉の準工場生産化」に成功した鶏肉は、食品内で相対的に安くなっている筈。

 何だかんだで畜産技術進化しているから、牛肉戦前比較では安くなっていると思う。

 技術進化しにくい魚類が、恐らく食品内で相対的に高くなってる

日本には、まだまだ戦前感覚が残っていて、「魚は安い、肉は高い」というイメージが残存してる。牛肉のご馳走消費はその名残。

 アメリカでは、肉は庶民が食べるもので、魚は健康志向が食べる高級品扱いされてるらしい

牛肉価格が下がったのは、戦前は「農耕牛に最適化」されてたのが、戦後は「食肉牛に最適化」されたからだろう。

 というか、戦前は「まんべんなく農家に一頭」だったのが、今は「特定畜産専業農家けが百頭」となったから、生産効率がいい

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