2014-10-03

見えない季節 牟礼慶子

できるなら

日々の暗さを 土の中のくらさに

似せてはいけないでしょうか

地上は今

ひどく形而上学的な季節

花も紅葉もぬぎすてた

風景の枯淡をよしとする思想もあります

ともあれ くらい土の中では

やがて来る華麗な祝祭のために

数かぎりないものたちが生きているのです

その上人間の知恵は

触れればすぐくずれるチューリップの青い芽を

まだ見ぬうちにさえ

春だとも未来だともよぶことができるのです

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