広島の祖母から送られてきた荷物に泉屋東京店のクッキーが入っていた。
八丁堀の福屋で購入したものだろう。
思い返せば、10年以上前、足を悪くして祖母の方から実家に足を運ばなくなるまでは、
いつもお土産としてこの缶詰が一緒に着いてきた。
楕円形のクッキーを一口かじってみた。
牛乳のようなまろやかな甘さが口に広がる。
紅茶と友達を近々呼んで、残りを食べよう。
蓋をそっと閉じた。
クッキーよりも、この一斗缶を薄く切ったような缶詰の容器が好きだった。
蓋の意匠。底を軽く押すと弾む間抜けな音。ステンレスの触感。
この箱におもちゃや手帳を飾りたいと、幼心に思ったとき
文房具に可愛らしさを求めるようになったオトメンがここに一人爆誕したのは、
今振り返っても納得がいくから不思議だ。
今の自分だとこの箱をどうやって使うのだろうか。
少し、考えるだけで浮ついた気持ちになった。
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