2014-09-15

少し遅い夏休みを取って、妻と一人娘の三人で、海外旅行に行ってきた。

から旅が好きで、何度もバックパック背負って歩いたタイ10日ほど。

1歳児の航空券はタダなので、そのぶん少し奮発してビジネスクラスにする。乗り継ぎ便だけどね。

小さい子供を蒸し暑い都会のバンコクを連れ回したら疲れてしまいそうなので、北部チェンマイ直行

最近、やっと「ぞうさん」って言えるようになった娘を象に乗せてやり、大好きなバナナを象さんと一緒に食べさせてやりたい。

ホテルツアーを申し込む。昔はピックアップトラックの荷台に乗って回ったけれど、事故も怖いしちゃんとしたバスツアーを選んだ。

そのツアーではエレファントキャンプに向かい、象の芸やスポーツを鑑賞した後、娘大興奮のエレファントトレッキング

次に向かったのは、首長族の村。首に金属の輪をはめて伸ばしている人たちだ。

娘はビックリした顔で後ずさり、それでもニコニコ笑いかけてくれる首長族の女性に興味津々で、妻にだっこされ、首輪を触ったりしていた。

僕はガイドに「このあたりには首長族の人がたくさん住んでいるの?」とたずねた。

「いや、彼らはタイ人間じゃないよ。山の向こうのミャンマーだよ」とガイドは答えた。

彼らはカレン族というミャンマー少数民族で、迫害を受けて難民になったり、食うに困って国境を越えた出稼ぎをしたり、でタイにいるのだという。

この村にいるカレン族は、半年単位で数家族ずつが交代して出稼ぎにきているのであり、パスポートは回収され、この村の外には出られないのだそうだ。

「あと、家族の女だけが来ることになるから家族半年離ればなれだ」

「なんで?」

外国人が見たいのは、首を長くする女性だけだからね」

そこには、確かに女性しかいない。まだ10代半ばくらいの女の子もいる。

無邪気な娘を見ていると、自分の娘がこうなったら…と、自然に考えてしまう。

ここは1歳の幼児飛行機に乗せて物見遊山に来るような観光客にとっての『人間動物園なのだ

ひょっとしなくても、今日払った1万円のツアー代が、彼女らひとりの月給くらいかもしれない。

せめて、偏見なんて持ちようがない歳で初めて彼女らを見て、きゃっきゃと愛想を振りまいている娘が、大人になったらきちんと理解してくれるといい。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん