とある人物が何者であったかは死んでしまうまで分からない。
晩節の汚し方によってはそれまでの名声も感謝も全て灰燼と化す。
ゴッホは死後評価された。英雄は数年後人殺しと蔑まれる。
この世の有り様は始まりの時から終わりの時まで全て曖昧なままである。
理由なく生まれたか、理由をもって生まれたかも曖昧なまま世界は終わるだろう。
その中を生きる人の生き様や心の移り変わりに何か確固たるものが生まれることなどあるのだろうか。
人生は始まる前から終わった後もどこまでも続くモラトリアムである。
代えがたきものは数多くあれど、己が何者であるかが決まる瞬間は永久に訪れない。
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