2014-08-07

ソリティアの人

ニートの父親の話だ。もうすぐ60歳になる。

一言で言えばニートである

もう20年近くニートをしているので時代を先取りしたニートだ。すごい。いや、すごくない。働け。頼むから

もともと父親はちゃんとした企業に勤めるサラリーマンだった。だが、どこかで糸が切れたらしく、勤めていた会社早期退職し、それを元手に生活の術を探り出した。

起業株式投資コンサル紛い、あらゆることを始め、うまく行かなくて数ヶ月で放り出す。退職金はあっという間になくなったらしい。

そして、ある日を境に、リビングに置いたパソコンで延々とソリティアをするだけになった。

母親パートタイム生活費を稼いでいたが、当時の私と弟はまだ中学生学費だなんだと金が掛かる一方で、後で聞いたが母方の祖母に相当出してもらっていた。

私も弟も、母方の祖母に高校まで行かせてもらっていた。

大学奨学金(育英会のあれ)を最高額で受給して私学に通った。自分で返済している。

私が就職社会人になり弟が大人になっても、父親は延々とソリティアをし続けた。

母親パートタイムで働きながら、祖母に金を無心しながら、父親に働くように言ってきた。でも、父親はすべてをソリティアをやりながら聞き流した。

やがて母親は説得を諦め、父親は何も考えずにソリティアに集中できるようになった。いや、働けよ。ソリティアで飯は食えねぇよ。

父親にも色々と試練はあったのかもしれない。父親の母親(父方の祖母)は新興宗教にはまり、妙なことを言い周囲を混乱させ、家族の金を勝手に持ち出してお布施する人だった。

今でも存命だが、平気で自分正当化する嘘をつく。そして嫌いにならないでと泣きついてくる。

そうだね。大変だ。自分母親がそんなクズだとしたら切ないし悲しい。

だが、それとソリティア関係なくねぇ?

父親は何かに負けて考えることをやめたのだ。母親奇行早期退職して自立しようとした賭けにも負けた。

でも日常はそれとなく続く。続いてしまった。

俺が働かなくても、なんか知らんが子ども学校に行けているし、ご飯は毎日出てくる。きっと妻がうまく回しているのだ。ああ、なんか考えるのとか向き合うの、めんどくさい。ソリティアやろ。

ソリティアだけで20年過ごせると、あの人は実証してみせた。なにそれ、すごーい!

完全に依存ソリティア動機になった父親は一人で生きていけるのか。きっと生きてはいけないだろう。母親のように依存できる人を探すだろう。そして、その人の横で何も考えずにソリティアをしたいと願うだろう。

はっきり言って母親に苦労をかけ続けてきた父親を私も弟も見限っている。

面倒を見るなんて死んでもごめんだ。働きたくないのなら流行りの生活保護でも受けて一人で生きろ。

面と向かって、それを父親に言えるのか。だってあのソリティアの人は、それでも私の父親なのだ

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