2014-08-04

キン消しキン肉マン消しゴム)と消しゴム遊び「ピンピン」について

以下は、1980年代東北地方の某小学校においての例です。

1. 小学校における「消しゴム

1980年代小学校では、ある玩具が爆発的に流行しては、教師により特定玩具の持ち込みが禁止されるという状況にありました。

コマなど駄菓子店で売られる玩具については、ほとんどが早期に禁止を言い渡されています

その後、玩具子供側に「これは勉強に使うものから」という言い訳がある、文具店で販売されるものへと移っていきました。

キャラクターキャップ部分についたシャーペン、色鮮やかな練り消しゴムなどです。

それらも、爆発的に流行して教師が持ち込みを禁止するのは、他の玩具と同じでした。

消しゴム玩具性が低いとみなされ、子供たちが「自分の考えで」何かを選んだと主張するのに便利な品でした。

例えば、消しカスひとつにまとまる消しゴムは、練り消しゴムの禁止が教師から告げられたあと、自家製の練消しを密造するのに使われていました。

2. 消しゴムの種類について

練り消しゴム以外の、教師にとがめられない消しゴムは、おもに以下の3タイプでした。

・箱に納まったタイプのものMONOなど)

・上記の箱が失われ、カドも無くなって、ほぼ円盤上になったもの

・片方が白く、もう片方が灰色の砂消し(すなけし、砂消しゴム

小学校では休み時間になると、ボールを持って校庭へ飛び出す子供たちとは別に教室にとどまり学習机上で上記の消しゴムを使った「ピンピン」で遊ぶ子供たちがいました。

3. 消しゴム遊びのひとつ「ピンピン」について

語源は指で弾く動作から来ていると思われます

ピンピン基本ルール

1. 複数人が1つの学習机の端に、自分消しゴムを置きます

2. ジャンケン消しゴムを弾く順番を決めます

3. 自分消しゴムを弾き、他の人の消しゴムにぶつけて机から落とします。

4. 机上から落とされた消しゴムは敗者です。

4.ピンピンにおける勝敗攻撃技術、防御技術

1. 自分で弾いた消しゴムを机から落としてしまった場合勝敗カウントされません。落とされた消しゴムとともに、落ちた地点に再配置します。

2. 攻撃する消しゴムの持ち主は、親指で溜めて人差し指中指で弾くほか、逆に親指で弾く、プラスチック定規をばねとして使う、ノックボールペン(側面のスイッチ収納するタイプのもの)の戻る勢いを利用する、などの弾きかたがあります

3. 狙われている消しゴムの持ち主はタイムを取り、机に密着させる、角度を変える、立てて相手ごと落ちやすくするなど消しゴムを置きなおすことで防御ができます

4. 攻撃側も消しゴムの置きなおしができます攻撃者と隣接してピンチ守備側が消しゴムを立てる→攻撃側も消しゴムを立てて底を弾こうとする、などの攻防があります

5. 他のプレーヤーは、攻守の2人が時間を掛けすぎていると、早くやれと急かしていました。

5. 消しゴム遊び「ピンピン」におけるスーパーカー消しゴム

文字を消す能力はないが小学校に持ち込むための言い訳消しゴムの名がついた樹脂製玩具として、「キン消し」(キン肉マン消しゴム)の発売以前、「スーパーカー消しゴム」がありました。

スーパーカー消しゴムは他の消しゴムとピンピンで争うには軽量すぎ、おもにノックボールペンが戻る力で弾く方法で、スーパーカー消しゴムのみで対戦されていました。

必要な道具がひとつ多い、スーパーカー消しゴムどうしでは戦いに変化がない、などの理由で、流行はしたものの早期に廃れていきました。

6. 消しゴム遊び「ピンピン」におけるキン肉マン消しゴム

私のいた小学校キン消し流行したのは、ピンピンにおいて、キン消しが適していたためです。

机の端で守備側がキン消しを立たせると、机から相手ごと落ちないようにするために、攻撃側には繊細な力加減が求められます

重量がある「サンシャイン」、回転させてぶつけることができる「アシュラマン」は特に子供たちから愛用されていました。

プロレス技のポーズをとった姿のキン消しは安定性に欠け、ピンピンでは負けてしまうので嫌われました。自立できるポーズキン消しがピンピンでは好まれました。

キン消し漫画内のシーンを再現するような遊びは、ほとんどされていないか、ごく早期に飽きられていました。

私の周囲では、キン消しはピンピンのための器具として扱われていました。

7. 子供の耳に「朝の新聞キン消しがのっている」「PTAの議題に」という話が入るようになったころ、キン消しブームは終わりました。

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