2014-07-09

ブラック企業を辞めた

ブラック企業を辞めた。

いや、正確には企業ではない。

夜の街の、かなりお高い女性向けの飲食店ってところだ。

最初プレイヤーで入り、そこからエイターを経て人材業務とか運営なんかもした。

かれこれ2年半ほどだろうか。

この業界で1年続くのも珍しいのだから、それを考えれば大分古株って感じだ。

業界では、従業員が「飛ぶ」のも日常茶飯である

「飛ぶ」とは?

無断欠勤して出勤しないことだ。

僕もその一人。

「飛ぶ」従業員を追っかけたりもした人間が、なぜ飛んだのか。

名前を出さない場だからこそ言えることだ。

まずは、暴力

業界には未だに蔓延っているらしい。

散々やられた。

些細な理由で、殴る蹴るの暴行

歯も折られたし、骨も折られた。

入院必要だったのに、人手不足を理由に入院させてもくれなかった。

治療費は払うといったけど、それも形だけ。

7万ほどもらって終わりにされた。

挙句の果てには、治療費払ってやってるんだからありがたく思えとか言い出す始末だった。

それから精神的にもやられた。

「言いたいことを言わないと殴るぞ」ぐらいな勢いで脅されたが、言いたいことを言ったところで結果は自明

どちらにしても暴行を受けるだけだ。

そのうち、本当の意味での「イエスマン」にしかなれなくなった。

セリグマンの犬という実験がある。

実験では犬を2群に分けた。

片方の群は、ボタンを押すと電気ショックが止まる部屋に入れられる。

もう片方の群は、何をしても止められない。つまり一定時間電気ショックを受けなければならない。

一定期間の後、後者ボタンを押すと電気ショックが止まる部屋に入れる。

するとどうだろう。後者電気ショックを甘んじて受けるようになってしまっていた。

これを「学習無力感」というのだが、正しくその状態に陥っていたらしい。

その状態が次の事態引き起こしたのだ。

特別罰金」の名のもとに、些細な失敗やミスで3回にわたり10万円ずつ、計30万円を給料から差し引かれたのだ。

普通なら、そこで抗議とかを考えるだろう。

しかし、だ。そこはセリグマンの犬になってしまっている状態。

何をされても「自分が悪い」としか思えなくなっていたのだ。

無論、こんなの違法であるのだが。

そして、飛んだ日。

2日で1000近くものLINEがきた。

でも、しーらないっと。

挙句法的手段に出るとか言ってきたが、もう馬鹿かとアホかと。

1000%こっちが勝てるのにね。

辞表送って終わらせようと思ってたのに、火に油を注ぐあたりがどうにもアホすぎて笑える。

それはさておき、ずっと基幹的な業務もしてた。

経理やら事務やらはほぼ一人で。

他のチームメンバーがあまりにも使えずどうしようもなかったからだ。

11時ぐらいに出勤して、帰りは平均で25‐26時。

人手が足りないとき現場に放り込まれることもあった。

ある日のこと。その日は打ち上げと言っていたが、現場に出なければならなかった。

チームリーダーも、何か仕事があるらしく、残りのメンバーで食事に行かせた。

そうしたら、なんと3万円の請求が来たというではないか。

一番働いている2人が何も食べてないのに、3万円とはこれいかに。

チームリーダーの払いだったのだが、そこで一言

「一番働いてる人間は何も食べてないのに、なんでやろ」って。

僕とチームリーダーは唯一愚痴を言い合えたのだが、それはまた理由がある。

北朝鮮

この名前は誰しもわかるだろう。

イメージするのはなにか。

「密告社会

地上の楽園と言いながら、実態地獄

そう、正しく兼ね備えてるではないか。

こんなことがあった。

ある時、軽微な不正があった。

事務処理上のもので、敢えてそこまで追及する種類のものでもなかったのだが、あろうことかそれを密告したのだ。

当然尻拭いに大わらわ。

事務処理上、慣例的に行っていたのだがどうにもこうにもそいつ的には許せなかったらしい。

そいつはいい顔をして、片方では仕事をサボっている。

けれども証拠がないから咎められない。

不条理さに腹が立った。

所詮、「何かあったら話し合え」とか言っていてもそこはセリグマンの犬。

黙っていたほうが賢明だ。

もう一つはこれ。

地上の楽園って話。

うまい言葉に騙されてきた男の子

当時、僕は面接官でもあった。

嘘八百を並べ立てて、何としても入店させようとする、させなければならない。

僕に残された最後良心が音を立てて崩れていった。

従業員に言われた。

「●●さんが人生狂わせた」と。

そう、人生が狂ってしまうのだ。

僕は2年半も浪費したわけだけど、なんだかショックだった。

大学学生課なんかは、注意喚起を出すべきだろう。

水商売の勧誘にはついていかないように」と。

男性諸氏は喜ぶかもしれない。

しかし、その勧誘行為自体違法だったりする。

僕も手を染めていた人間として、良心の啞責に未だ苛まれる。

ようやく辞めて、一息ついたところで。

暴露本でも出したら儲かるかしら。

しばらくは、相手の出方を伺いつつ、しかるべき準備を進める所存。

賢明男性諸氏は、よほど自分に自信がなければこの業界に飛び込まないことをお勧めして、文章の結びとする。

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