2014-06-26

私がサッカーを好きになれない理由

春と秋、年2回行われる高校球技大会

私がいた学校では男子2種目、女子2種目開催される。

開催種目は都度全校生徒による投票で決められるが、

通例として、男子サッカーほぼほぼ確定で、

残り1種目を何にするか、という出来レースであった。

運動神経は可もなく不可もなく、という程度だった私は、

どんなスポーツも人並みにはできた。

しかし、小さい頃からサッカーというスポーツだけはどうしても苦手であった。

「蹴る」という才能が皆無だったのだろう。

父親がサッカー経験者だったので、

練習をしてこなかったわけではなかったが、一向に上達する気配もなく、

暇な時に家の前で壁に向かって蹴っていたサッカーボールも、

中学に上がる頃にはほこりかぶり

いつからか体育の授業がサッカーと聞くだけで、

苦手意識からなんとなく気落ちするようになっていた。

その時の種目はサッカーバスケだった。

バスケ経験者を多数擁する我がクラスメンバーはすぐに決まり

残りの男子は有無を言わさずサッカーに回された。

かくいう私もそのうちの一人であった。

本番までの放課後サッカーメンバーで何度か予定を合わせて練習を行った。

回を重ねるにつれて、私の下手さ具合というのはみんなの知れるところになっていき、

露骨に冷ややかな視線を送ってくる生徒もいた。

その頃からクラス内でもなんとなく息苦しさを感じるようになっていた。

そして迎えた本番。

試合最中たまたまではあるが何度か私の元にもボールが転がってくることがあった。

しかしそのボールほぼすべて、私には触らせず、上手いメンバーが取りに来て試合を進めていた。

もはや私はチームにいないものとして扱われていた。

結局この大会、私のチームは1勝も挙げることはなかった。

サッカーは、下手な人間無視しても成立するスポーツである

他のチームスポーツは、下手な人間は下手な人間なりにまだ参加する余地がある。

バスケならマンツーマンで相手選手に引っ付いていれば、少しはチームの役に立てるかもしれない。

バレーなら必ず回ってくるサーブ試合に参加できる。背が高ければブロックもできるだろう。

野球も同じく必ず打順が回ってくるし、守備素人ではあまり飛んでくることのない

レフトやライトにいたって、たまに来るゴロやフライに触ることはできる。

参加できる。

しかサッカーは違う。

人数が多いぶん、周りが上手ければ一人分くらいは平気でカバーできてしまう。

完全に無視して試合ができてしまう。

参加できない。

いないのと、同じ。

球技大会が終わったちょうどその頃から

私はクラスの中で爪弾きにされることが多くなった。

自分がチームの敗因のひとつであるという自覚はあったので、

強く出ることもできず、日々を過ごした。

その頃はあまりその言葉意識してはいなかったけれど、

今思い返せば、あれはイジメ、だったのだろう。

もちろん、球技大会の件が原因のすべてだったとは思わない。

けど、大きなきっかけになったことは間違いない。

サッカーをする人みんながそんな人たちだとは思わない。

下手な人にもサッカー面白さを、参加の仕方を、

教えてくれるような人もきっといるはずだと思う。

けれど私は、残念ながらこの歳になるまでそういう人に出会えなかった。

あの球技大会から、未だに私はサッカーを好きになれない。

  • 俺は近所の小学生チームでプレーしてて、へたくそだったからチーム内でいじめられた。 そのチームをやめるとき、監督から言われたのが「サッカーを嫌いにならないでくれ」だった。 ...

  • そんな斎藤さんを僕は応援してます。

  • それは、あんたと周りの人達の「信頼関係」の問題であり、 サッカーは関係ないよ。 バレーでもバスケでも同じ結果になってたよ。 あんたは、ただただサッカー批判したいだけだ...

  • バスケで下手なやつがシュート外しても「おしい!」って感じになるし 野球で下手なやつがエラーするのは織り込み済みだからカバー入るし「ドンマイ!」ってなるけど、 サッカーで下...

    • サッカーのパスミスは織り込んでカバーリングするのがDFの仕事だけど、MFから前までそんなことしてたら11人じゃ到底プレー出来ないからな。 サッカーだってシュートして外れたら惜し...

    • 野球が一番ひどくね? 下手糞は外野にするしかないけど、外野のエラーは即失点につながるし。

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