2014-06-06

浮世はセクシャルパラダイス

上りエスカレーターから眺める女の下半身は神々しい。

短いスカートと長い素足とが心をぐっと惹きつける。

ほんとうにあともうちょっとなのに、パンツは決して姿を見せてはくれない。

でも、それでいい。

見えそうで見えないのが実は好いのだ。

エスカレーター上り切ると、今度は若い女の身体がそこら中にあふれている。

パンツの色を求める楽しみは終わってしまったけれども、次は透けブラ探しの時間が訪れる。

暑い日が続くのに、女のガードはなかなか固く、容易には透けを許してくれない。

最近はブラキャミが流行っているのだろうか。それともヌーブラか。

心の中で苦笑すると、女子トイレから一人の若者が出てくる。

右手スカートに押しつけて拭う様な動作をしているのでどうしたのかと観察していると、どうやらこの女、用を足して手を洗った後、きちんとハンカチで拭かなかったようで、歩きながら慌てて水気を取っているのである

可愛いやつめ。

ちょっと興奮する。

忙しい朝だから俺の視線に気づく様子も無く、誰も彼も早足で道を急ぐ。

意気揚々と歩を進めるあの女は、自分の乳が揺れていることにはお構いなしのようだ。

ぼいんぼいんと音が聞こえそうなくらいの迫力がある。

あの女はどうだろう、揺らすものも見当たらないくらい貧相だけれども、その表情からして、ちっさな胸に抱えている志は、計り知れないほどであろうと想像される。

乳が全てではない。

そんなことを考えながらついつい何度も見そうになるが、心中の頬を自らペシンと平手打ちして、目を覚ます

「一度は良いが、二度見は駄目。」

ルールを破ったらただの変態になってしまう。

紳士たるものは襟を正すことも忘れない。

おっとっと、半ば小走りで隣を過ぎ去る女の手が自分の手に当たった。

すべっとした。

振り返ると、朝日を浴びてきらきら輝く乙女の姿があった。

よし、今日も頑張ろう。

からそう思えた。

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