2014-06-03

25歳ニート就活

 「採用の決め手となる何かが足りない。やりたいという熱意が見えてこない。たとえ、貴方が熱意を持っていたとしても、この面接で感じとることができない。後日、もう一度面接しましょう。そのときまでに、もっと業界研究をして、弊社に入りたいということをアピールできるようにしておいてください。」

 一次面接の壁を突破し、なんとか辿り着いた二次面接。そこで、社長さんに言われたセリフがこれだった。

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 僕の今の状況を説明しよう。

 24歳で大学院修士課程卒業学生時代、十数社の企業や団体の採用試験を受けたが、どこも通らず。しかし、不採用だった1社から契約職員のお誘いが来て、1年間の契約で働くことになった。しかし、契約更新はしてもらえず1年で退職。そして、25歳。就職先が見つからずに、ニートになってしまった。(厳密には、求職活動中の人ニートとは呼ばないらしいが、読者の方にとってはこの表現の方がわかりやすいと思うので、こう表現する。)

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 学生大学院生)の頃は、受ける企業を少数に絞って、就職活動をすることにしてた。手当たり次第に受けるよりも、少ない企業に絞って企業のことを深く研究したほうが、企業側には熱意が伝わるだろうと思ったからだ。さらに、この戦略をとる理由としてもう1つ挙げられるのが、僕はあくまで学生なので、卒業研究に専念したいという思いがあったということだ。僕はもともと、勉強研究が好きで、就活なんていう雑用は早く終わらせたかった。

 企業もなるべく、研究だとか開発というような色合いの強そうなところを選んで受けた。それなりに、入りたいという意志があった。

 しかし、結果はどこも1次面接不採用筆記試験ほとんどの企業で通るのに、面接になると落ちる。

 その結果、「こんなに入りたいという意志があるのに、落とすなんてひどい」という負の感情と「どうせ、僕はどこを受けてもダメなんだ」というモチベーションの低下が生まれた。それでも、周囲の人の支えにより、少しずつ企業公共団体試験を受けて行った。そして、2月。ようやく就職が決まった。1年の契約職員だけど。

 そして、僕は1年間そこの会社で働いた。しかし、やっても失敗ばかり。イメージしていた仕事とは全然違う。職場の人との意見は合わない。円満な人間関係を作るために、もしくは職務を遂行するために、素の自分を殺し、つねに偽りの自分を演じなければならなかった。「言いたいことが言えない」という状態がずっと続いた。(1つだけ補足すると、いわゆるブラック企業ではない。福利厚生はちゃんとしているし、法律はちゃんと守ってるし、離職率も低い)

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 僕は、再び、就職活動をすることになった。僕は今までの失敗の原因を「自分性格企業の求める人材像の不一致」と考えた。だから自己分析を入念に行った。自分の心と向き合う作業。自分の今までの経験を踏まえて、自分性格を見つけ、ノートに書き出してみる。例えば、僕は学生時代によく先生質問することが多かったことや、研究をして新しいことを発見するのが好きなことから好奇心が旺盛な性格であることに気づいた。

 問題は、ここからである自分の「好奇心が旺盛な性格」にピッタリ合う職場はどこにあるのかということである。この問題には、「手当たり次第受けてみる」という作戦を取ることにした。幸い、ニートの僕には時間があった。企業を手当たり次第受けることに何の時間的制約も受けなかった。さらに、この作戦にはもう1つ利点があった。それは、心理的な安定が得られる点である。志望企業が2社ある内の1社から不採用通知がくるのと、志望企業20社あるうちの1社から不採用通知が来るのでは心理的な負担が違う。20社のうち1社落ちても、たかが1社落ちただけで、まだ19社残ってると自分の心に言い聞かせることができる。また、学生時代に感じた「あれだけ熱心に調べたのに」という怒りも感じない。不採用通知が心のなかで穏便に処理されるのだ。

 いつしか自分の中で、こんなフローチャートができていた。

 自己分析企業探し→書類作成エントリーシート)→テスト面接)→不採用祈祷

 こんな流れができているもんだからテスト面接)の段階では、既に次に受ける企業のことを考えているという始末。

 僕は、就職活動が順調に進んでいる。そう思い込んでいた。しかし、状況は何一つ進んでいなかったのだ。僕は、就職活動というイベントを行っただけで、「就職先を決める」という本質を見失っていた。

 そして、「手当たり次第受けてみる」作戦の決定的な問題点が浮き彫りになった。それは、熱意の不足、もしくはやる気のなさである。僕の就活スタンスは「僕はこんな性格人間です。採用するかしないかは、御社が決めてください。」という形であった。「どうしても御社でなければダメなんだ。」「御社で働きたいんだ」という熱意が欠けていた。それが、不採用の原因となってきたのだ。

 考えてみれば、僕には、「どうしてもやりたいこと」や「どうしても欲しいもの」がなかった。企業に落ちても「別にいいや」、雇用契約更新されなくても「まあいいや」、恋人に別れようと言われても「しょうがないや」。いつしか、僕は、何かを追い続けるということをしなくなった。

 自分が本当にやりたいことはなんだろうか。大学院研究したどんな問題よりも難しい問題にぶち当たってしまったようだ。

  • 自分自身の2年後を見ているようだ。 その後、調子はどうですか? ぼくも就活中で、まさしく「熱意が見えない」って言われてます。 確かに熱くなることはほとんど無かったけど、こ...

  • 論じてねぇ...できることをやりましょう。がんばってくださいね^^

  • id:xervaのブコメがメンヘルっぽくて怖い

  • 一言で言うとプライドだけ高くて頭が悪いってだけじゃねぇか

  • 就活なんて、縁だってよく言う人がいるように、 これだっ!と思う時があると思う。 それがないなら切り替えよう。 私は、生活のためにお金が必要だ。 お金には困ってないけど...

  • うぉぉん頑張ってくれ 修士ニートの後輩よ 俺はもう駄目だ

  • 今後の益々の不採用の連続をお祈り申し上げます。

  • おなじく修士ニートですが、来年で30歳になります。あんしんしてください。意外と生きてます。友達はなくなりました。こっちが会いたくなくなったからDEATH

  • 自己分析よりも誰かに面接官やって貰って アドバイスして貰う方が良い気がする。 自分の考えを上手に態度に表せて無い様に思う

  • http://anond.hatelabo.jp/20140603131023 これらのブコメ見てて思ったけど先進国なのに殺伐として働いてるってばかばかしくないのかね 生きるためには苦しまなきゃいけない仕事は厳しくなきゃい...

  • 自分は経済学部の大学院出だけど、就職活動はやっぱり苦労した。 60社近く受けて、最後は増田のように手当たり次第エントリーして、ようやく1社内定が出た。 大学院生っていうのは、...

    • 文系の大学院なんてどうしようもねー、くらいに思われているのかもしれない。 そのとおりだろ。何いってんの? ぼくは結果的に、あたりではないくじを引いてしまったようで、 ...

    • 経済なら数学ゴリゴリやってればまだ色々道はあっただろうけど、 その辺苦手だとかなり厳しいね。

  • 自分のやりたい仕事をやって生きてる人なんて ほんの一握りだよ。 大多数が不満持ちながらも仕事してる。 そうしないと生きていけないし。 ある程度は妥協しないと。

  • 紹介予定派遣(正社員になれる派遣)から入るとか別の道を探したほうがいいんじゃない。 たぶん、熱意とかを表に伝えられないタイプなんじゃないかなぁ。 頑張っても根本的なものは...

  • 悩むのもいい加減にしろ 自分の本当にやりたいことなんて考えていたらおじいちゃんになるわ 座禅組んで瞑想(迷走か)してろ 自分の本当にやりたい仕事を知っていて、 実際その仕事に...

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