2014-04-17

付き合ってる彼氏に「あたしお見合いするから」って言う奴どうなの?

最近外回りで帰るのが遅い。

時計をみると23時過ぎ。

カーラジオからは冬の定番ソングが流れる。それは、街路樹イルミネーションとほどよくマッチし、心を冬色に染める。

『I want to show you everything.....』

あぁこの歌は5年前のChristmasを思い出す。

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

課長ー。はいこれ頼まれた見積もりです!』

『いつも仕事が早いねー。一昨日頼んだばっかりなのにいつやったのこれ?』

『いやーすみません仕事持ち帰ってやってました…』

『そんな無理しなくてもいいのにーつかそれ社内規程違反からもうやっちゃダメだよ?』

はいすみません…』

『まーでも助かったわー。ありがとう^^』

課長名前は由希子さん。うちの会社女性課長はわりと珍しくはない。

ちなみに、僕の直属の上司にあたる。一緒に得意先を回ることはあるが、その男勝りな性格のせいか、あまり浮いた話は聞かない。

でも、いつの間にか僕は好きになっていた。上司としてではなく、女性として。

『そろそろクリスマスねー。俺君は何か予定でもあるの?』

『予定と言えば、帰って風呂はいって寝るくらいですかねー。課長は?』

『わたしは、、、そうねぇ。今から作ろうかしら。ね!俺君!』

『え?どういう意味ですか?』

『だから、そういうこと!一人でいるのも何だから、食事でもしない?』

『僕でいいんですか?』

『嫌なら誘わないけど?』

『是非ご一緒させてください!』

24日の日、課長は取引先数件で商談とプレゼンがあるとのことで、朝から会社はいなかった。

俺といえば年末の請求書の処理があるので、一日会社にいる予定だった。

せかせかと請求書に印鑑を押してると、課長からメールがきた。

『19時に上野でね(^_-)』

顔文字使うなんて今まで無かったのに。

僕も思い切って顔文字つかって返信した。

『わかりました!o(^-^)o』

ちょっと恥ずかしくなった。

19時、上野で待ち合わせたゆきこさんは、仕事着では無かった。普通に仕事帰りな自分が恥ずかしい。。。。

『き、着替えてきたんですか。』

『いやーこの服着る機会がなくってねー。変?』

『いや全く変じゃないけど…なんか仕事帰りって感じがしないっすね…』

仕事帰りのママのほうが良かった?』

『いやそんなこと無いんですけど、俺が普通に仕事帰りのままなんで…』

『気にしないで^^』

そんな談笑をしながら、歩き始めた。

街は当然クリスマス一色。

課長は、それはそれはとても綺麗で、いつもの男勝りな性格なんてみじんもみさせないくらい、というか、言葉に出来ないほど綺麗だった。

一緒に歩いてて、回りにはどううつってるのかな。そんなことを考えながらお店に到着。

『俺君はお酒飲める?』

『飲めますよ!』

『よかったよかった。ここは私の行き着けなんだ。結構洒落てて居心地いいんだよー』

正直大衆居酒屋しか知らない俺には抵抗があったが、今日はゆきこさんと一緒だ。何も恐れることはない。

『こんばんはー。メリークリスマスマスター!』

『お。由希子ちゃん。あれ?彼氏さん?』

ばーかwww何いってんのww会社の部下だよw』

『なーんだwそうなのかー残念だなーw』

やりとりをききながら、ドキドキしている自分がいる。

『俺君何飲む?』

メニューを見る。

やっべ分かんないお酒ばっかりだ。

どうしようと思ってるときに、たまたまカミカゼというお酒が目に入った。

『か、、、カミカゼを、、、』

『いきなり強いの行くねぇ。』

え。強いのこれ(^_^;)

課長モスコミュール。なるほど。女性らしい。

それから約6時間仕事のこと、学生時代のこと、色々話した。

マスターは途中からまり会話には参加しなくなってた。

課長…そろそろ電車が』

『あ!本当だ!もう12時になるのね…』

会計をする。今日は割り勘だ。

『じゃあマスターまたね!』

ありがとうございました。』

と、席を立とうとした瞬間、課長はふらっと俺に寄りかかってきた。

今日のんたからねぇ。珍しく。』

『そうなんですか?』

『普段はのまないよ。こんなにはね。』

大丈夫から。行こう。電車なくなっちゃう!』

そう言って、よろけながら店をあとにする。

駅までの帰り道。

『ごめんね酔っぱらっちゃって…』

『いや、平気ですよ!ちゃんと帰れます?』

『うん。ありがとう。』

改札前で、いざさようならとき、やっぱり千鳥足課長

ああああもう仕方がない。送っていこう。そう決意。

『家まで送ります。』

『え、いや、だって電車なくなっちゃうよ?』

『俺のことはいいですよ!タクシーで帰りますから!』

『ごめんね。仕事でも迷惑掛けて、プライベー…』

いつもと様子が変だ。

俺は口を塞ぐ、『しーっ!』のそぶりを課長にする。

課長の家は4駅先だ。

からそう遠くないのが幸いだ。

『ねぇ俺君。』

はい?』

『俺君は私をどう見てるの?』

どきっとした。

どう答えればいいのか。

チャンスは今しかない!

でも酒の勢いにしか聞こえないぞこれは。

『あー。あの…上司としては素晴らしい、尊敬できる人です。友人としては…』

『友人としてゎぁ?』

不思議と甘い声に聞こえる。

男勝りな性格なんてまるでないような、それはもう猫撫で声。

そのさきを言おうとした瞬間、課長が手を繋いできた。

『あたしは、好きな人として見てる。仕事中も、プライベートも…』

『え…』

『いつからそうみてたかからないけど、好きは好き。』

『…』

『こんな人が彼女じゃいや?』

『俺まだ続きをはなしてないです。』

『あ…ごめんね。』

『友人としては…みてないです!』

『え…』

『一人の女性として、好きな人として見てます!』

課長の手を握り締める力が強くなった。

丁度コンビニの前に差し掛かったとき、聞こえてきたのは、winter song。

『This is my song for you....』

『今夜帰るの?』

課長と一緒にいたいです。』

課長って呼ぶのやめてよ。由希子って呼んでよ…せっかくカップルになったのに台無しじゃんかー。これは業務命令ね!二人きりの時は由希子って呼ぶこと!』

『え…業務なんすか…それもなんだかなあ…』

『あー、業務じゃないけど…でもだめ、ちゃんと由希子って呼ばないといじけるよ?』

『う…ごめんなさい。あの…由希子…さん?』

『それでよし。さあ帰って飲み直そうかー!』

『えええええこんな千鳥足なのにまだ飲むんですか!』

『あたりまえででしょうに!飲む飲むー』

そうお互い笑いながら、二人は住宅街へ消えていった。


なんていうこんなクリスマスの一日を過ごしてみたい。

彼女見合いするからと言われたので去年クリスマス前に別れた人を今日偶然職場近くの駅前で見かけたので書きなぐり。

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