2014-04-10

「オンナ投げのピッチャー甲子園優勝校のエースだった」みたいな話

Natureに掲載された2編の小保方論文を、そこそこ詳細に、「抄読会でプレゼンする」ぐらいのレベルで読んで気づく違和感は下記のとおりである

1) FACSのゲートが不適切で、漏れを検出している

2) 蛍光顕微鏡によるGFPの検出で、ネガコン細胞に赤いフィルタを使っている

3) 免疫染色の抗体不適切(複数)

4) 奇形腫の写真がどう見ても成体マウスの正常組織

(次点で、HE写真免疫染色写真対応がない)

以上は理研調査委員会で争点になっておらず、またいずれの会見でも取り上げられていない。

さらに会見の資料には明らにおかしい点が1つある。

5) たかが3,000 bp電気泳動パルスフィールドで行ったと主張

(普通なら30分で終わる実験オーバーナイトでやってんの?)

これらの怪しい点は、仮にデータ捏造するにしてもあまりに場当たり的な印象を与える。少なくとも仮に平均的な能力を持ったポスドクが一から捏造するなら、このレベル整合性を疑われるデータを出すことはない。全部をでっちあげたとしても、あたりまえの材料と道具を使って、少なくとも見かけ上は完璧な図を作ることができる。それも比較的簡単に。ただ同僚に察知されずにやるとなればハードルが格段に上がるし、疑いをもって詳細に見られればバレると思うが。

また不適切画像処理についても、例えばバンド切り貼り境界を消すことなど、普通にPhotoshopが使える人にとっては造作もないことである人間の髪の毛を背景に溶け込ませることに比べればずっと簡単だ。

したがって彼女研究室主催者としてどころか、同世代ポスドクと比べても平均的な能力を備えていないと考えられる。しかし一方で理研のPIになれるのは研究者のなかで一握り、天才的な頭脳連続徹夜に耐えられる体力に加えて、キャリアの序盤で大仕事を成し遂げる強運が必要である彼女は私の知る限り医学生物学分野ではここ10年で2番目の若さユニットリーダー採用されているが、これを高校野球に例えるならオンナ投げのピッチャー甲子園優勝校のエースだった、みたいな話である幹細胞分野には、CNSや姉妹紙に複数報の業績を有し、分子構造からマウスまでなんでも扱えるような数多のスーパーポスドクが、食うや食わざるやの安月給でこき使われており、公募採用時における彼女の潜在的ライバルは数知れなかったはずだ。したがって採用経過が全く不透明で、仮に竹市先生がおっしゃるようにSTAPに強いインパクトを感じて特例で採用したにしても、笹井研究室の常勤研究員として雇い、スーパーポスドクとして育てるべきだったわけで、彼女をPIとして採用した責任は非常に重い。

  • 内容には完全に同意できるがドヤ顔で出した例えが下手すぎてせっかくの文章が台無しになっている残念な子がこちらになります

  • Nature Article論文のExtended data Figure 5dのグラフって、エラーバーがパワポ上で書かれてるんだぜー。知ってた? つまり、photoshopどころか、エクセルも使えてないってこと。彼女が手書きでせ...

  • もうひとつの答えは、何もかもが話題性のための「釣り」演出だったという・・・。

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