2014-04-07

iOS辞書アプリ大辞泉」が事前予告なく有料アプリ化し改悪

今日4/7、辞書アプリである大辞泉小学館、開発:HMDT)バージョン2.0が有料アプリとしてリリースされた。以前のバージョン大辞泉を持っている方はアップデートしないことをオススメする。

重要なお知らせ

大辞泉は、バージョン2.0からは有料アプリとなりました。2.0から購入された方は、すべての機能がご利用いただけます大辞泉を、バージョン1からインストールされており、「利用回数の制限を解除」するライセンスを購入していない場合は、利用回数が0になった時点で、検索などの機能が使えなくなります

バージョン1からアップデートされた方へ

大辞泉』は、バージョン2.0からは有料アプリとなりました。バージョン1のときインストールされた方は、無料アプリとしてダウンロードされたと思います。これにより、バージョン1からアップデートされた方は、いくつかの相違点が発生します。

すでに「利用回数の制限を解除」ライセンスをご購入済みの方は、特に差異はありません。今まで通りすべての機能がご利用いただけます

まだライセンスをご購入されていない方は、現在の利用回数が0になった時点で、検索などの機能が使えなくなりますバージョン1では時間経過とともに利用回数が回復しました。これは『大辞泉』の大きな特徴でした。ですが、バージョン2.0以降では利用回数は回復しないことにさせていただきました。引き続きご使用になられるときは、「ストア」画面よりライセンスを購入してください。

NEWS|大辞泉

有料の「デジタル大辞泉から無料の「大辞泉」へ

大辞泉」は当初、「デジタル大辞泉」の名で普通買い切り有料アプリとしてリリースされた。HMDTが開発をし、小学館が配信していた。

競合アプリである大辞林三省堂、開発:物書堂)の2500円に対し、デジタル大辞泉は2000円と安く、年3回の辞書データ更新保障していた。

2013年5月デジタル大辞泉は新アプリリリースし注目を集める。名前からデジタルを取った新アプリ大辞泉」はなんと無料だったのだ。26万語が無料!すばらしい!

そのカラクリはこうだ。

簡単に説明すると、利用可能回数の上限が決まっていて、検索すると1減る。画像を表示すると3減る。動画再生すると10減る。回数が足りなくなると、機能が一部使えなくなる。減少した回数は、時間が経つと回復する。

大辞泉がソーシャルゲームになった理由 | HMDT Blog(645はてぶ)

なんでこうなったかというと、まず背景としてあったのが、App Storeにおいて有料アプリが売れないこと。たとえば、今日App Storeトップセールスランキングを見ると、100位までの中に有料アプリは、、、0!100位を超えるとかろうじて有料アプリがポツポツと出てくるものの、ほんの一握りだけ。つまり、売り上げを立てているのは、ほぼすべてアドオン課金タイプアプリ、ということだ。

「いや、有料アプリだって売れているものはあるよ」「逆に言うと、有料アプリランキングの方が手薄だからランキング上げやすいよ」という意見があるのも知っている。85円のアプリ10,000本売る、というビジネスモデルだったら、それはありだ。でも、辞書アプリはどうしても単価が高い。この戦略はとれない。

とにかく、アプリユーザに触ってもらえないと話にならない。うちで作るアプリは、触ってさえもらえれば、気に入ってもらう自信はある。だけど、2,000円のアプリでは、このハードルがとても高い。だから無料にした。無料にするしかなかった、と考えている。

今度からは、HMDTが企画、開発、配信まで全部やることになった。アプリ名も、そのものずばり『大辞泉』でいく。これを国語辞典アプリの決定版にする、という気概を込めた。

配信元がHMDTに移った事で、いままではやりにくかった大きなチャレンジをいくつもてがけることができた。

再掲:まったく新しい『大辞泉』アプリ、まもなく登場! | HMDT Blog(27はてぶ)

すべての辞書機能無料開放しつつ、その使用に回数制限を設け時間回復するという画期的手法ソシャゲ風だなんだと少し騒がれた。

まるでソーシャルゲーム? 一定時間ごとに「利用可能回数」が増える、基本無料の辞典アプリ【大辞泉】(40はてぶ)

[iPhone, iPad] 大辞泉: 無料で2000円分の辞書機能が使えます!ユニークなシステムで新登場! - たのしいiPhone! AppBank(38はてぶ)

「大辞泉」アプリが基本無料で再登場 ソシャゲ風課金システム採用 - ITmedia ニュース10はてブ

ソシャゲっぽい無料モデルを導入した『大辞泉』は辞書アプリ界のパズドラとなれるか? | TABROID(タブロイド)(22はてぶ)

アプリリリース時、利用可能な回数上限は15ポイントだった。減った分は15分で1ポイント分回復する。待てない場合は85円で1回だけのフル回復ができ、2000円で回数制限のものを解除できた。

アプリであるデジタル大辞泉」を購入していると、「大辞泉」も無料で全機能が使用でき、歳時記などの追加コンテンツも移行できた。

(ちなみに「デジタル大辞泉」は今もAppStoreに顕在公約である年3回の辞書データ更新は未だに守られ続けており、iOS7にも対応した。)

1度目の改悪

2013年12月大辞泉バージョン1.6がリリースされた。

[機能改善]

利用可能回数の最大値を5に変更しました。

動画再生のための利用回数を3に変更しました。

「利用回数の回復」を購入すると、一時的に利用回数の最大値を50まで拡大(消費後は元に戻る)します。

NEWS|大辞泉

当初15ポイントだった利用可能回数制限が5ポイントに減らされた。それに伴い、10ポイント消費だった辞書内の動画再生が3ポイントに減り、新たに600円で「利用回数の最大値を50に拡大」が追加された。

理由はこうだ。

この最大値の切り下げには、色々な議論がありました。ライセンサーからの強い圧力があったのも事実です。ただ決定的だったのは、利用回数の調査結果です。実際にユーザが、連続してどのくらい検索を行っているのか、調査してグラフにしたのが下の図です。

(ここにグラフ画像

1回しか利用していないユーザは55%、半数以上にのぼります。5回以内のユーザカウントすると、92%になり、大部分のユーザは5回以内で問題ないんですね。それとは逆に、15回全部使い切るユーザ一定数いることが分かります

ここから、多くのユーザの使い勝手はそのままにして、ヘビーに使ってくれているユーザに新たな選択肢を与えたい、ということを議論した結果、最大値のデフォルトを5にして、最大値拡大のアドオンを追加する、という落としどころを見つけました。これでさらに利用してくれるユーザが増えてくれると嬉しいです。

『大辞泉』1.6公開!記念セールも開催中! | HMDT Blog

ライセンサー小学館?)から圧力とあっては仕方ないが、残念な改悪だった。

ちなみにこのリリースと同時にセールも行われた。

「利用回数の制限解除」通常2,000円→セール価格1,400円

「利用回数の最大値を50に拡大」通常600円→セール価格300円

「利用回数の最大値を50に拡大」を購入していた場合の「利用回数の制限解除」通常1,400円→セール価格1,100円

2度目の改悪

今日バージョン2.0リリースされた。

その内容は冒頭にも載せた通り、アップデートすると利用可能回数制限時間回復がなくなり、0ポイントとなると辞書機能は使えなくなった。

理由はこうだ。

有料化へと至った経緯

大辞泉』は無料アプリとしてリリースすることで、14万を超えるユーザダウンロードしていただきました。また、時間経過とともに利用回数が回復する、ソーシャルゲーム的な手法を取り入れる事で、大きな注目を集めました。この手法は、スマートフォンアプリ市場において、ユーティリティタイプアプリの新たな活路を見出す事を目的としたものでした。

しかし、この成果を収益に結びつける事はできず、事業継続が困難となりました。さらに、ライセンサーから現在の状況を憂慮した、強い働きかけもありました。このような状況のため、無料アプリとしての展開は終息して、有料アプリとして再出発させていただく事となりました。ご理解のほどをお願いします。

NEWS|大辞泉

ほぼ同じ文章が大辞泉アプリのフェイスブックにも掲載されている。HMDTのツイッターは去年12月の1度目の改悪バージョン1.6)以降、バージョン1.6.1.や1.6.2リリースの際も今回もツイートがない。普段リリース報告をしたり、上記のようにアプリに対して説明(釈明)していたHMDTのブログも未だ沈黙している。

私が知る限り事前予告はなかったと思う。残念だ。

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