2014-03-29

教育格差

僕は小学校時代、かなりの時間を複式学級で教育を受けた。

複式学級を知らない人も多いかもしれない。

つの学年が同じ教室で授業を受けるのだ。

たとえば三年生と四年生が同じ教室で、三年生に授業をしている間は四年生が自習、四年生に授業をしている間は三年生が自習といった具合に。

文科省の定めでは、1学年が16人未満の場合必要に応じてとられる措置らしい。

僕の学年は10人未満で、僕の上の学年も、下の学年もやはり10人未満で、2学年が同じ教室に入っても15~18人だった。

複式学級の場合、実質の授業時間が半分になる。

僕の学年の、学習到達度は通常学級に比べると低かったと思う。

はっきり意識したのは中学に入った時だった。

僕の中学校は、6つの小学校から生徒が集まってきていた。

(規模の順にA~F小学校としよう。一番大きな小学校がA小学校で、僕の小学校がF小学校だ)

当時の中学校では定期テストのたびに上位半分は壁に点数の順に出席番号を張り出す習慣があって、名前こそ貼りだされないまでも、誰が何点で何番かというのは調べようとすれば簡単だった。

F小学校出身は上位半分に入っていることは稀だった。

中1の最初中間テスト

初めての英語テスト

アルファベットさえ憶えればなんてことがない内容だった。

中間テスト後、補習に残される生徒は明らかにD~F小学校出身者が多かったと思う。

デッドラインは30点くらいだったと思う。

僕の元同級生たちは、ローマ字が書けないし読めなかった。

小学校国語の授業でローマ字について習う時間が、よその学校の半分だったからだと思う。

2学年あわせても15人だった小学校時代、授業は最低辺の子に合わせ、ちんたらと進み教科書最後まで終わらなかった。

40人クラスとなった中学では、最低辺に合わせて授業をするなんてことはなく、多少の配慮はするものカリキュラムは粛々と進んでいき、当然のように置いてきぼりとなった。

さらに悪いことに、僕らは、競争しようという気持ちがなかった。

小学校時代勉強の成績を競うという習慣がなかったし、中学に入った時点では、スタートラインから落ちこぼれだったからだ。

塾というビジネスも過疎の町にはなかったし、進研ゼミという通信講座も無力だった。

競争心がない子供が、通信講座など熱心にやるわけがない。

勉強はできなかったが、不良になる子もいなかった。

何故かと言うと小学校時代、複式学級で授業が半分とは言っても、それでも教師の監視の目はたった15人ばかりの教室には行き届いていたからだと思う。

子供同士の秘密とか、いたずらとか、カッコつけたり、ふざけてみたりということが極端に少なかった。

そんな小学校時代を過ごした僕らは、おとなしくて、勉強が出来ないだけの中学生になった。

教育格差

そんなもの全国学力調査なんかやるまえからわかってる。

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