敗れても、敗れても、敗れても、絶対に首を下げなかった。
緑のメンコ。不屈の塊。
その馬の名は…キングヘイロー。
その美しき黒い流線形。
嫉妬すら追いつかない。憧れすら届かない。
その馬の名は…アグネスタキオン。
93年、天皇賞(春)。
極限まで削ぎ落した躰に鬼が宿る。
その馬の名は…ライスシャワー。
96年、オークス。
5頭がもつれた世紀の大激戦の末に生まれた、女王・ダイナカール。
その娘が、再びレースを支配する。
オークス、親子制覇。
その馬の名は…エアグルーヴ。
93年、日本ダービー。
熱狂の2分25秒。
85年、安田記念。
それは革命だった。
マイル戦のために進化を遂げたその脚が、名馬の条件を塗り替えた。
その馬の名は…ニホンピロウイナー。
99年、宝塚記念。
標的はただ一頭、同期のダービー馬だった。
今行くか。
いや、まだか。
その馬の名は…グラスワンダー。
94年、スプリンターズステークス。
最後に勝つ者が勝者だ。
その馬の名は…サクラバクシンオー。
83年、菊花賞。
その馬はタブーを犯した。
その馬の名は…ミスターシービー。
88年、天皇賞(秋)。
「芦毛の馬は走らない」。
この2頭が現れるまで、人はそう言っていた。
宿敵が強さをくれる。
風か光か、その馬の名は…タマモクロス。
88年、マイルチャンピオンシップ
走ることに安心なんて求めるな。
見るものすべての心をかき乱す、その末脚を人は愛した。
その馬の名は…サッカーボーイ。
89年、ジャパンカップ。
躍り出ろ。
お前を知らない者たちの隙を突いて躍り出ろ。
ワールドレコード2分22秒2という事件。
その馬の名は…ホーリックス。
77年、有馬記念
戯れにもみえた。死闘にもみえた。
その「勝者」の名は…テンポイント。
92年、皐月賞。 そのモンスターの名はミホノブルボン。 常識は、敵だ。 90年、天皇賞(春)。 メジロマックイーン、父子三代制覇。 絶対の強さは、時に人を退屈させる。 91年...
2000年、高松宮記念。 その馬は10度の敗北を超えて血統を証明した。 敗れても、敗れても、敗れても、絶対に首を下げなかった。 緑のメンコ。不屈の塊。 その馬の名は…キングヘイ...