2013-11-24

独創的な英語教師

日向清人さんという英語教師がいますNHKビジネス英会話講師も勤め、著書もあり、慶応大学英語を教えているという経歴的には申し分ない御仁です。

その彼がしきりに主張するのがワイングラスの持ち方。

日本では柄の部分を持つべきだという風潮が強いが、国際的にはボウルの部分を持つ人々が多いし、それがマナーだというのが骨子。

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2013/06/post_55.html

http://web.archive.org/web/20091117060438/http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2009/11/post_55.html

オバマブッシュベルルスコーニなどセレブ写真を引っ張りだしてきて説得力を与えています

感化された記事も多数

http://matome.naver.jp/odai/2137486003334108301

http://www.nomooo.jp/blog/?p=16119

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1237071067

ウィキペディアまで

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9

アサヒビールに至っては記事を修正している

http://web.archive.org/web/20090710001236/http://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/know/manner/09.html

http://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/know/manner/09.html

しか英語で"how to hold a wine glass(ワイングラスの持ち方)"とググれば明らかなように

https://www.google.com/webhp?hl=en#hl=en&q=how+to+hold+a+wine+glass&safe=off

https://www.google.com/search?q=how+to+hold+a+wine+glass&safe=off&hl=en&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=vmGRUvizIIfqkAWngIGgBA&ved=0CDEQsAQ&biw=1360&bih=644

正式には柄の部分を持つという主張が英語圏では普通に見られます

日向センセーの記事に紹介された人物たちの中にも、「不適当に」ワイングラスを持っている例はたやすく見つかります

ジョージ・クルーニー: http://jp.reuters.com/article/idJPTYE87R01020120828

エリザベス女王: http://www.telegraph.co.uk/news/features/3637378/State-Banquet-a-feast-for-all-of-the-senses.html

バチェレ(元?)チリ大統領: http://www.thepresidency.tt/events_and_ceremonies.php?mid=179&eid=585

ミシェルオバマ: http://www.michellesmirror.com/2013_06_16_archive.html#.UpFmjCfRLHs

キャサリン英王妃: http://www.businessinsider.com/royal-baby-kate-middleton-and-prince-william-photos-2013-7

フアンカルロススペイン国王: http://www.que.es/mejor/2009/fotos/rey-juan-carlos-cumple-anos/20100105/55445-juan-carlos-inauguracion-ciudad-del.html

ここで普通の知性ある人間だったらどのような結論を導き出すべきなのでしょうか?

「柄の部分を握るのがワイングラスの正式な持ち方だけどボウルで保持するのはマナー違反じゃないし楽しく飲もうよ」

ぐらいな論調に落ち着くんじゃないでしょうか。

しか日向センセーは

シャンパングラスであれワイングラスであれ、立っていようと座っていようと、ともかく、グラスはカップ状の本体部分を持つのが当たり前です」

国賓を招いての晩餐会という、外交儀礼上、最も格式の高い場での元首たちの振る舞いからわかるとおり、カップ状の本体部分を自然に持つのが実は正統派であり、ステムを持ったりする方が逆に異端なのです」

などという独自研究を振りまき、それを真に受けてしまったワナビー国際人が自説を披露する事によって恥をかき、日本人の国際化はちっとも進まず、グローバルエクセレント英語教師のメシのタネは尽きないという一連のサイクルが展開されるのは誠に香ばしい限りであります

また、非常に興味深いのが日向先生の記事を拝見すると

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2013/06/post_55.html

安部首相金正日ガーナのクフォー大統領を「ステム持ち」として欧米セレブの「カップ持ち」に対比させているのは味わい深いです。

「ステムホルダーが主流というわが国はアフリカの流れを汲んでいるのかも」

などというコメントは未開人の暗喩に富んでおり、「バナナ」たる帰国子女面目躍如といえましょう。


国際人日先生にかかればイスラム教

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2010/11/post_764.html

呪文を日に5回の祈祷の度に唱えるとなれば,一種洗脳されることでしょう。神には絶対服従だと。事実、islamのアラビア語の原義はsubmissionと説かれますし、Karen Armstrong というこの分野の権威に言わせると、islam = surrender だそうです。そこに宗教指導者たちが神はアメリカが悪いと言っているなどと刷り込めば、こりゃ自爆テロでも何でもやるだろうなと感じます

という事になるそうですが、ここで日向先生が引き合いに出しているカレンアームストロングは専門が比較宗教学であり、

「どうして爆弾テロハイジャックといった無垢の市民殺戮が(起こるのか)?イスラム是認するところとは大きく異なり、こうした殺人イスラムの最も神聖な教えに反しています

http://content.time.com/time/magazine/article/0,9171,175987,00.html

と断言していますイスラム=降伏なんていうのは彼女の自説でもなんでもないし、かの宗教暴力の結びつきを強調したいのなら山ほどネタは見つかるはずですが、日向先生ともなれば独創的な読解力の持ち主なのでしょう。英語話者に通じるかどうかは私も存じませんが・・・


shallwill の使い分けなんてのも日向先生は得意なようです。

契約書の場合は、本当ならSHALLはhave a duty toという意味ときだけ使うべきなのでしょうが、実際は細かく使い分けずに終わっています。例えば、私が法律事務所翻訳をやっていた時代は、契約書の英訳はひとまずすべてSHALLを使ってしあげたものです(従って実に楽です)。その次のステップで、弁護士の中には自分のクライエントが関わる義務規定についてはSHALLWILLに直したりする人もいましたが、たいていはそのまますべてがSHALLという形で使われていたとおぼえています。なおWILLを使ったからと言って規範的な意味合い、つまり「何々すべし」という意味あいは変わらず、単に語感として相対的に弱い感じがするという程度の話でしょう」

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2005/05/shallwill.html

ちなみにテキサス大学法学部のウェイン・シェイス先生

"Did you know that "shall" is the most misused word in all of legal language?"

"Some suggest that lawyers are incapable of using "shall" correctly, so we ought to banish it entirely"

http://www.utexas.edu/law/faculty/wschiess/legalwriting/2005/05/shall-vs-will.html

などとほざいてますが、栄えある慶応義塾大学スーパー講師である日向先生の言うことに耳を傾けた方が吉かもしれませんね(棒読み

そんじゃーね

おまけ レディガガ(笑)

http://greatwinenews.com/lady-gagas-favorite-wines-revealed/

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